11期連続最高益更新! ワークマンが「高品質×低価格」の究極のトレードオフを両立できる理由

堀尾大悟
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あくまで「作業服」であり「消耗品」

製品開発部 部長
製品開発部 部長の柏田大輔氏

 近年では新型コロナウイルス禍によるライフスタイルの変化もあり、大手アパレル、紳士服チェーンなども含めてより軽さや動きやすさを求めた商品開発に大きくシフトしているトレンドがある。その点ではワークマンにとっての競争環境も激化しているように映るが、柏田氏は意外にも「あまり競争している意識はない」と語る。

 「当社の製品の軸はあくまで作業服。作業の現場で必要とされるものであり、趣味嗜好品ではなく『消耗品』を扱っている」(柏田氏)

 作業現場でのストレスを軽減するためにより軽く、動きやすく、快適な作業服を提供する。汚れたり破れたりと消耗することを想定し、求めやすい価格で提供する。流行を追い過ぎず、すべてのアイテムは最低でも5年間販売し続ける――ワークマンの一連の経営方針は、すべて「作業服」である、というところに帰結するのだ。そう考えると、柏田氏の「他社と競争している意識はない」との発言は決して不遜には聞こえない。

 「作業する人のために快適な作業服を提供する、という一点で、ニッチな市場を築き上げてきた。だから、アパレルの他社とぶつかることがない」(柏田氏)

 作業服市場ではトップシェアを築き上げてきたが、それに甘んじることなく、消費者の声に耳を澄ませて「高品質×低価格」のトレードオフに挑み続ける。そこに、ワークマンの強みがあるのだろう。

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