2021~22年の流通再編を総まとめ 主役はオーケー、H2O、カインズ、ヤオコー・・・
クスリのアオキにウエルシア…SMに接近するDgS
ドラッグストア(DgS)業界では、ついにマツキヨココカラ&カンパニー(東京都/松本清雄社長)が誕生し、業界のトップ争いに食い込む巨大DgS企業となった。その傘下に中間持ち株会社のマツモトキヨシグループ(千葉県/同)、ココカラファイングループ(神奈川県/塚本厚志社長)、両社のシナジー創出を目的として設立されたMCCマネジメント(東京都/松本清雄社長)が連なる。26年3月期にグループ売上高1.5兆円、営業利益率7.0%を経営目標に掲げ、新たなスタートを切った。
また、DgS業界の動向で注目されるのが、クスリのアオキホールディングス(石川県/青木宏憲社長)を中心とする食品強化の動きだ。同社はここ数年、地場SMの買収を進めており、この1年ではスーパーマルモ、一二三屋などを傘下に加え、SMのノウハウを生かした食品販売にいっそう力を注いでいる。また、ウエルシアホールディングス(東京都/松本忠久社長)も同じイオン系列のカスミ(茨城県/山本慎一郎社長)やマックスバリュ北陸(石川県/師井昭造社長)と売場を融合させた共同出店を実施しているほか、一部の店舗では自社による生鮮売場の運営にも取り組んでいる。
オーバーストアや人口減少、高齢化など以前からさまざまな課題を抱えている小売業界。さらにコロナ禍では消費者のライフスタイルが大きく変化していることにより、変化対応のスピードの速さがますます重要になっている。業務効率化のためのデジタルシステム導入やネットスーパー、他社との差別化につながる魅力的な商品開発などにはそれ相応の投資が必要だ。1社では成し得ない施策を実現するため、あるいはスケールメリットやより効率的な企業運営を求めて、今後も小売業界では同業態、異業態を問わずさまざまな再編が活発化するとみられる。
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