キリンiMUSEがドラッグストアとの協業強化、スギ薬局の売場展開事例も
キリングループの独自素材「プラズマ乳酸菌」を配合した「キリン iMUSE(イミューズ)」ブランドが好調に推移するキリンビバレッジ。同社ではPETボトル飲料に1日分の「キリン iMUSE 免疫ケアサプリメント」を付けた景品施策を通じ、ブランドの価値向上と免疫ケアの習慣化をねらっている。
健康志向を背景にニーズ広がるプラズマ乳酸菌
キリングループが展開する「キリン iMUSE」はプラズマ乳酸菌を配合した乳酸菌ブランドだ。プラズマ乳酸菌はp D C (プラズマサイトイド樹状細胞)に働きかけ、健康な人の免疫機能の維持に役立つことが報告されている。2017年に発売された同ブランドは20年8月、健康な人の免疫機能の維持をサポートする機能として初めて消費者庁に届出公表されたことから、同年11月に機能性表示食品のブランドとして新発売した。
ブランドの間口を広げているのが、手に取りやすいキリンビバレッジのPETボトル飲料。現在、甘すぎないすっきりとしたおいしさの「キリン iMUSE ヨーグルトテイスト」、さわやかなレモン風味でゴクゴクと飲める「キリン iMUSE レモン」、日常やスポーツ時の水分補給にも最適な「キリン iMUSE 免疫ケアウォーター」の3種。そのほかにも、キリングループの小岩井乳業から「小岩井 iMUSE ヨーグルト」シリーズ、キリン協和発酵バイオから「キリン iMUSE 免疫ケアサプリメント」シリーズを展開している。
また「キリン iMUSE」とは別に「プラズマ乳酸菌」を配合した商品として、チルド飲料の「キリンおいしい免疫ケア」を発売。さらに「キリン生茶」や「キリン午後の紅茶」「キリン世界のKitchenから」など、ほかの飲料ブランドでも「プラズマ乳酸菌」を配合した商品を展開し、免疫ケアを訴求している。
キリンホールディングスの「プラズマ乳酸菌」関連事業の23年販売金額は前年比の約4割増となる200億円を達成。24年も3月19日に「キリン iMUSE からだ想いヨーグルトテイスト」、4月2日に「キリン生茶からだ晴れ茶」を発売し、飲料で始める手軽な免疫ケアを訴求していく。
飲料・サプリの併売で免疫ケアの市場を拡大
キリングループでは、「キリン iMUSE」ブランドを中心とした流通企業との協業による免疫ケアカテゴリーの醸成に注力している。中でもドラッグストア業態は健康に関する提案が行いやすいこともあり、協業に力を入れているという。
3年前より実施しているのが、「キリン iMUSE ヨーグルトテイスト」をはじめとしたPETボトル飲料に、1日分の「キリン iMUSE 免疫ケアサプリメント」を景品として付けた販促施策と、飲料とサプリメントの併売による免疫ケア市場共創施策だ。
「キリン iMUSE」ブランドの強みとして、飲料やサプリメント、ヨーグルトなどさまざまなタイプを持つことでシーンや好みに合わせて選ぶことができる点が挙げられる。
サンプリング施策は、PETボトル飲料からサプリメントへの橋渡しが可能となるほか、飲料についてもサプリメントを添付することで「キリン iMUSE」ブランドならではの健康感をアピールすることにつながる。
22年は販促施策による露出アップで飲料の売上が伸長した数週間後、サプリメントの売上が伸長。中にはエンド等で飲料とサプリメントを集積し、コーナー化することで売上を伸ばした店舗もあるという。23年はドラッグストアを中心に8500店舗でサプリメントの景品施策を実施。免疫ケアが消費者の日常的な健康習慣となるよう、今後さまざまな取り組みを行っていきたいとしている。
「キリン iMUSE」売場展開事例:スギ薬局 江戸川瑞江店
日々の健康管理につながる商品群として販促を強化!美と健康を発信するドラッグストア、免疫ケアにも注力
スギ薬局が運営する「スギ薬局江戸川瑞江店」の開店は2018年。同店は都営新宿線・瑞江駅から徒歩10分の住宅地に立地。調剤併設型の店舗であることから、30代のファミリー層から60代以上のシニア層まで、幅広い年代が来店する。
郊外型である江戸川瑞江店は売場面積が約275坪と同社の店舗としては比較的広く、日用品や食品といった医薬品関連以外のカテゴリーの売上構成比も高くなっている。
江戸川瑞江店は開店以来、安定した売上を確保しており、関東圏でもベスト3に入る同社内の優良店舗だ。23年9月より江戸川瑞江店の店長を務めている庄司亘範氏は「江戸川瑞江店ではスギ薬局の中でも限られた店舗だけが行う配送サービスを導入しており、ケース買いをはじめ、日用品や食料品などを大量購入されたお客さまが良く利用しています」と話す。
スギ薬局では発売当初より「キリン iMUSE」ブランドおよびプラズマ乳酸菌関連商品の取り扱いを強化している。その理由として、免疫機能で初めて消費者庁に届出公表された商品である点が非常に大きいという。
健康意識の高まりもあり免疫ケアのニーズも広がりつつある。とくに「キリン iMUSE」のPETボトル飲料は水分補給をしながら手軽に体調管理ができる点で評価が高く、重点販売商品として販促を強化。継続的な飲用を勧める意味で単品だけでなく6本パックやケース売りも実施している。
特設・定番・エントランス、多箇所展開で気付きを与える
江戸川瑞江店では現在、「キリン iMUSE」のペットボトル飲料を冷蔵ケースと常温定番棚で展開するほか、エントランス正面で専用什器を使って大量陳列。さらにサプリメント売場のエンドでは、ボードや POP等、メーカーから支給されたツールも活用しながら、PETボトル飲料とサプリメントを陳列し、「免疫ケアコーナー」を形成している。
またPETボトル飲料に1日分の「キリン iMUSE 免疫ケアサプリメント」を付けた販促施策も実施しており、23年9月から12月の「キリン iMUSE」の飲料販売実績は前年比250%超と大きな実績を上げている。発売時から注力しているブランドということもありリピーターも多く、とくに30代からの支持が高いという。
庄司店長は「免疫ケアという言葉も浸透してきており、カテゴリーの中心である『キリン iMUSE』の存在は大きい。地域の健康を支えるドラッグストアとして、今後も販売に力を入れていきたい」と語っている。