米ウォルグリーン、医薬品卸事業を65億ドルで売却、ドラッグストア事業に集中

ダイヤモンド・リテイルメディア 流通マーケティング局
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ウォルグリーンの外観
クリニック併設店舗を増やすなど、ドラッグストア事業の強化に資金を振り向ける

 米ドラッグストア大手のウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)は1月6日、医薬品卸事業を米アメリソースバーゲンに65億ドル(約6760億円)で売却すると発表した。医薬品卸から撤退し、リテールファーマシー(ドラッグストア)事業に経営資源を集中する。

 WBAは傘下のアライアンスヘルスケアを通じて、欧州を中心に医薬品卸事業を展開している。アメリソースバーゲンはアライアンスヘルスケアを買収することで、欧州での医薬品卸事業を強化する。

 WBAはアメリソースバーゲンの株式の30%近くを保有する筆頭株主で、もともと両社の関係は深い。アメリソースは米国でWBAに医薬品を供給しており、今回のM&A(合併・買収)に伴って、両社は商品供給契約を3年延長した。2029年までアメリソースが主要サプライヤーとしてWBAに医薬品を供給する。また、アメリソース傘下に移った後、アライアンスヘルスケアは、WBA傘下のドラッグストア、英ブーツに31年まで医薬品を供給することで合意した。

 一方、WBAは1月7日、医療サービスの米ビレッジMD(イリノイ州シカゴ)への投資を加速し、ドラッグストアに併設するクリニックの出店計画を前倒しすることも表明した。ビレッジMDが運営するクリニック「ビレッジ・メディカル」を今後4年で600〜700カ所、ウォグリーン店舗に併設する。

 WBAは20年7月、ビレッジMDに3年間で10億ドルを投資し、5年間で500〜700店舗にビレッジ・メディカルを併設する計画を明らかにしていた。10億ドルのうち7億5000万ドルの投資はすでに完了しており、ビレッジMDは調達した資金をクリニックの開設に充てる。

 ビレッジ・メディカルには、プライマリ・ケア医師と薬剤師が常駐し、往診と遠隔診療によって年中無休で24時間、患者に対応する。WBA傘下のウォルグリーンは19年11月から、テキサス州ヒューストンの5店舗にビレッジ・メディカルを併設し、実験的に運営している。21年夏までにはテキサス、アリゾナ、フロリダの店舗のうち医療サービスが手薄な地域にある40店舗にビレッジ・メディカルを開設する予定だ。

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