家電にクスリ、家具にコンタクトレンズ… フードデリバリー各社がこぞって日用品配送に参入するワケ
新たな配達システムで日用品に対応する出前館
日本におけるフードデリバリーの草分けともいえる出前館(東京都/藤井英雄社長)。出前館は2000年にサービスを開始して以降順調に事業を拡大、21年1月末時点で会員数約750万人、加盟店舗数約5万5000人にまで成長した。
出前館は、ウーバーイーツなどの外資系フードデリバリーサービスが日本に上陸するはるか以前から、花や酒類の配達、クリーニングや水周りの修理などの申し込みに対応してきた。これは、出前館がもともと配達だけを代行するサービスではなく、自身で配達リソースを持つ地元の店舗とお客のマッチングに特化したサービスであったためだという。
しかし、17年から同社が導入した「シェアリングデリバリー」によって状況が変化しつつある。シェアリングデリバリーとは、地域ごとに設置した拠点に配達スタッフを配置、そのスタッフが店舗に変わって配達を行うものだ。つまり、自身で配達リソースを持たない店舗でも、出前館を通じてのデリバリーが可能になったのだ。
この仕組みを利用し、新たにデリバリーを開始したのがコンタクトレンズだ。16年からビジョナリーホールディングス(東京都/星﨑尚彦社長)傘下のメガネ専門店チェーン「メガネスーパー」(社名はVHリテールサービス)と提携し、コンタクトレンズの即日配達を東京都内で開始、18年からは地域を大阪、名古屋、仙台などに拡大し42店舗で配達を行っている。「ないと困る」日用品であるコンタクトレンズの即日配達は好評を得ているという。