楽天、20年1―9月期の営業損益は605億円の赤字 モバイルが赤字拡大

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楽天は12日、2020年1ー9月期の連結営業損益(国際会計基準)が605億円の赤字だったと発表した。モバイル事業の赤字幅が前年同期から拡大した。写真は同社のロゴ、2019年5月撮影(2020年 ロイター/Sam Nussey)

[東京 12日 ロイター] – 楽天は12日、2020年1ー9月期の連結営業損益(国際会計基準)が605億円の赤字だったと発表した。先行投資が継続するモバイル事業の赤字幅が前年同期から拡大した。巣ごもり消費の拡大でオンラインショッピングの需要が高水準だった一方、インターネット旅行予約サービスなどの取扱高が減少した。前年同期は1129億円の営業黒字だった。

楽天モバイルの山田善久社長はオンラインのプレゼンテーションで、第4世代(4G)通信網の基地局整備計画を前倒しして設備投資額が増加したほか、ユーザーの増加でローミング費用も増加したと説明した。1年無料キャンペーンは来年4月で開始から1年となるため「以降、売り上げが順次計上されていく」と強調した。

基地局整備は2026年3月末から約5年前倒し、来年夏には人口カバー率96%とする考え。11月時点の累計申し込み回線数は160万回線を超えたという。

物流分野でも先行投資が継続。旅行関連は、足元ではGoTo政策の影響などで改善してきているという。

楽天の三木谷浩史会長兼社長はオンライン会見で、KDDIやソフトバンクなどの携帯料金引き下げの動きを受けて、料金に対するユーザーの関心が高まり「われわれにとっては逆にマーケティング的にプラスに働いている」と述べた。NTTがNTTドコモを完全子会社化することについては、競争促進のためにNTTを分割・再編した経緯に触れ「逆回転させるならそれなりの議論が必要」と主張した。

通期の業績予想は、株式市況の影響を大きく受ける証券サービスを除いた売上収益で19年12月期(前期)に比べ2桁成長を目指すとのみ表明している。リフィニティブがまとめたアナリストによる通期営業損益予想の平均は708億円の赤字。

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