街角景気、3月は過去最低 家計・企業・雇用すべて大幅悪化
[東京 8日 ロイター] – 内閣府が8日に発表した3月の景気ウオッチャー調査では、景気の現状判断DIが14.2で、前月比13.2ポイント低下し、過去最低となった。これまでは2008年12月の19.0が過去最低だった。街角景気の末端まで、新型コロナウイルスの影響が打撃を与えていることが浮き彫りとなった。
家計動向関連は前月より13.5ポイントの低下、企業動向関連も10.9ポイント低下、そして雇用関連は16.8ポイント低下となり、いずれの分野でも大幅に低下した。
ウオッチャーからは主に観光や小売からのコメントが目立つ。
「海外からの観光客に加え、一般の来客も減っている。お菓子や総菜の販売は伸びているものの、来客数の減少による落ち込みはカバーできていない」(近畿=コンビニ)といった影響が聞かれる。
レストランや旅行代理店では「企業接待、異業種会合、社内送別会などが軒並みキャンセルとなり、料亭部門では来客数が前年比の約30%まで落ち込んでいる」(北陸=高級レストラン)という。
このため雇用にも影響が出ている。「ホテル、飲食、観光業界の売上が激減しており、助成金もしくは休業等の相談が非常に増えてきている」(甲信越=職業安定所)という。
企業部門では「工場が止まったり、物が来ないといった影響が多々出始めている」(東海=輸送用機械器具製造業)といった状況もある。
2─3カ月先を見る先行き判断DIは18.8で、こちらも過去最低水準となった。前月比5.8ポイント低下。4カ月連続の低下。
先行きについて「東京五輪延期も決まり、既に各所では大型連休期間中のイベントも中止の判断をされるなか、先が見通せない状況」として、「今後の感染拡大の状況次第で閉園等の対応が必要となることも懸念される」(中国=テーマパーク)との声がある。
内閣府は、景気ウオッチャー調査の判断の表現を「新型コロナウイスルの影響により、極めて厳しい状況にある」とした。先行きについては「一段と厳しさが増すとみている」とした。