10月大手百貨店売上高は20%前後の減少、駆け込み反動と天候不順

ロイター
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都内の百貨店の様子
11月1日、百貨店大手4社が発表した10月売上高速報によると、各社とも前年同月比20%前後の大きな落ち込みとなった。写真は2014年9月、都内で撮影(2019年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 1日 ロイター] – 百貨店大手4社が1日発表した10月売上高速報によると、各社とも前年同月比20%前後の大きな落ち込みとなった。10月1日からの消費増税前の駆け込み消費の反動が出たほか、首都圏を直撃した台風の影響で一部店舗が臨時休業したことも影響した。

10月の反動減は織り込み済みとも言える。これが消費者マインドを冷やし、買い控えの長期化につながらないかどうかが今後の消費動向のポイントになる。

大手百貨店各社は「駆け込み需要の反動がほぼ全ての商品分野で見られた」(J.フロント リテイリング )、「商品別売り上げは、宝飾品や婦人雑貨をはじめ、いずれの商品群も前年を下回った」(高島屋 )としている。なかでも「宝飾、時計、美術は前月の高い伸びの反動で、大幅に前年を下回った」(そごう・西武)との声が聞かれた。

消費増税前の駆け込み需要の反動減に加え、「首都圏の店舗では、台風19号の影響による臨時休業・営業時間短縮により客数が減少した」(三越伊勢丹ホールディングス )ことも、各社共通の下押し要因となった。

また、日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が発表した10月の新車販売台数(軽自動車含む)も同24.9%減と大きく落ち込んだ。SMBC日興証券では「台風が今回の販売減の主因であれば、新車販売は11月以降に大きく反発する。もっとも、10月にロスした販売機会の全てを挽回できるわけではなく、また増税前に生じた駆け込み需要の反動減も相応に発現する見込み」とし、「10―12月期の減少は避けられないだろう」との見方を示している。

麻生太郎財務相は「大きな駆け込み需要が起きていないので、反動減があるとは思えない」と述べていたが、消費市場では、9月下旬にかけて一気に駆け込み需要が盛り上がった。

経済産業省が発表した9月の小売販売額は前年同月比9.1%増となり、前回増税(14年4月)の駆け込みがあった3月以来の高い伸びを示したほか、9月の全国百貨店売上高は店舗数調整後で前年比23%増と大幅な伸びとなっていた。

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