若年層の心を鷲掴み! トレンドキャスケットが手掛ける「体験型店舗」が支持を集める理由
美容体験を進化させた「Yodobloom」

ティアランドは24年6月、家電量販大手のヨドバシカメラと協業し「Yodobloom池袋」(東京都豊島区)にオープンした。プロによるメイクなどの体験型サービスを提供するという運営のベースはティアランドと同じだが、扱う商品とターゲットは大きく異なる。Yodobloom池袋に並ぶのは、高価格帯の美容家電のほか、中~高価格帯のコスメ用品やシャンプー・トリートメントなどのヘアケア用品だ。
美容家電は10万円を超える脱毛器のほか、ドライヤーやヘアアイロンなど数万円以上の商品を試すことができる。シャンプー・トリートメントにおいては、店内に設置されたシャンプー台で美容師の資格を持つスタッフによる施術を受けることが可能だ。
扱う商品が高価格帯中心となるため、ターゲットは主に30代後半以上。体験予約の際には、体験後のアンケート記入または5000円以上の商品購入が必須となる。そのため、体験した商品を店頭すぐに購入できるようにしており、これまで来店客の7割が商品を購入したという。

アンケートの記入については、ティアランドのようにアプリのダウンロードは必須とせず、アンケート用紙に記入してもらう形式だ。普段使っている商品など、メーカー側にとってニーズが高い情報を提供できるほか、利用客のデータを蓄積することで髪質や肌質ごとの人気商品、機種の分析も可能だ。
高価格帯の美容家電は、購入前に実際に使ってみたいというニーズが強い。Yodobloom池袋では、高品質の商品をプロによる施術で体験できる上に、異なるメーカーの商品の比較もできる。オープンから1年弱が経つ中で徐々に認知度も高まり、リピート客が増えているという。
日本酒の体験型店舗もオープン!
体験型に特化した店舗運営が支持を集めているトレンドキャスケット。4月には、「ヨドバシカメラ梅田」(大阪市北区)内に「Yodobloom SAKE 梅田店」が新たにオープンした。これまで手掛けてきた美容カテゴリーとは異なる「日本酒テーマパーク」だが、「体験型」をコンセプトとする点は同じだ。100種類の日本酒から、日本酒のソムリエである唎酒師によるカウンセリングの下、アプリの設問に答えながら好みの日本酒を見つけるサービスだという。
「小売をもっと面白く」をミッションに掲げ、ティアランドをオープンしてから3年。ティアランドを皮切りに、トレンドキャスケットは他社と協業もしながら体験型をコンセプトにした店舗を広げつつある。

二階堂氏は「多様なサービスが溢れているため、今は可処分時間の奪い合いになっている。ただ商品を売るだけではなく、プラスでどのような付加価値をつけられるかがこれからの小売店には重要になる」と話し、現在運営している店舗のサービスをさらに充実させながら、新しい体験型店舗も模索していきたいとした。






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