若年層の心を鷲掴み! トレンドキャスケットが手掛ける「体験型店舗」が支持を集める理由
掘り起こした若年層の潜在的ニーズ

メーカー側にとって、出展料を支払う大きな対価となるのが若年層のリアルな声だ。二階堂氏は「今の若年層は、インフルエンサーやSNSを通して知った商品をECサイトで購入することが多い。従来のテレビCMを中心としたPRは通用しないため、若年層がどのような商品を求めていて、どうすれば届くのか、マーケティングに悩んでいるメーカーが多い」と話す。そうしたニーズに応えるティアランドの仕組みは注目され、韓国・中国コスメのほか、国内の老舗ブランドなどさまざまなメーカーから出展依頼があるという。
より多くの人に足を運んでもらうため、二階堂氏がこだわっているのは「どうすればZ世代、α世代がティアランドに関心を持ち、足を運んでくれるか」という点だ。さまざまなサービスや店があふれる現代において、どれだけ長い時間をいかにティアランドで過ごしたいと思ってもらえるかが重要なポイントだという。

発見もあった。先述のとおり、Z世代、α世代はSNSなどで商品を知り、店舗に行かずECサイトで購入することが多い。店員に商品購入を迫られないかという不安から、カウンターで美容部員によるタッチアップを受けるのも苦手とする声も聞いていたため、当初は「対面でのカウンセリングなどのニーズは高くないかもしれない」と想像していたという。
しかし、ティアランドの運営を通じて「無数の商品や情報が溢れる中で、自分に合ったメイクやスキンケア、コスメ用品を知りたいとちゃんと知りたいというお客さまが多いことがわかった」(二階堂氏)。そうした潜在的なニーズを掘り起こし、複数のメーカーの商品をフラットに紹介するティアランドの仕組みが支持を集めているというわけだ。
24年には、ティアランドの仕組みをベースにした新業態の店舗も誕生している。






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