ユニクロと東レとのサステナブルな関係から生まれたリサイクルダウン

北沢 みさ (MK Commerce&Communication代表)
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一緒に成長できるサステナブルな関係

 同時に、東レ側では、回収したダウン製品から羽毛を取り出すマシンを開発した。取り出した羽毛を洗浄し、ダウンとフェザーに分離させ、その混率を調整して、新たにリサイクルダウンの製品を縫製する工場に納品する。

 「ダウンを取り出す機械や、ダウンの分離器まで作るなんて、東レでも普通はできないことです。やはり戦略的パートナーシップを結んでいるユニクロとだからこそ、我々もこういったことに挑戦できる。それが、ユニクロと一緒に仕事する醍醐味です」(荒木氏)

東レ GO事業部GO事業第2室長の荒木隆史氏

 「今後、素材がサステナブルであることは、特別な商品や一部のアイテムに限られたことではなく、“基本装備”になると考えています。東レとしては、感動できる商品、感動を大きくできるような素材を提案していきたい。ただ、それを世界中のたくさんのお客様に届けられるのは、ユニクロとだからです。ユニクロが世界一を目指すのであれば、僕らは世界一の素材を作らなくては、と思っています」(荒木氏)

 ユニクロとパートナーシップを結んでいる取引先は、もちろん東レだけではない。もともとジーンズブランドやスポーツブランドのカジュアルウェアを仕入れて販売していたユニクロが、自社ブランドの製品を作り始めたのは1992年からだ。30年以上取引のある工場の中には、いまや中国でもトップクラスの大企業になっているところもあるという。

 取引のある素材メーカーや工場の多くが、ユニクロと長期に渡るパートナー関係を結び、共に成長している。取引先とサステナブルな関係を築いていることこそが、ユニクロのビジネスを支えている。

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記事執筆者

北沢 みさ / MK Commerce&Communication代表

東京都出身、日本橋在住。早稲田大学第一文学部卒業。
メーカーのマーケティング担当、TV局のプロデューサーの経験を経て、
1999年大手SPA企業に入社しマーケティング・PRを12年、EC・WEBマーケティングを8年担当し、ブランドの急成長に寄与。
2018年に独立後は、30年に渡る実務経験を活かし、小売・アパレル業界を中心に複数企業のアドバイザーとして、マーケティングおよびEC業務を支援中。

 

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