競合店と差別化するアークランズの特化型MD、工具の買取サービスも実施

ダイヤモンド・ホームセンター編集部
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特化型MDで驚きを与える

 その後、同じくビバホームを業態転換して、 23年8月にオープンした「ビバホームプロ浦和さいど店」も日高店の売場づくりを踏襲した。工具、作業衣料、空調資材、アウトレット、中古工具の買い取りを「5大カテゴリー」に据えて、それらに特化した売場づくりを行った。木材や建材は扱っていない。

工具の買取サービス
工具の買取サービスやアウトレット商品の販売など他社にはないサービスも実施

 とくに電動工具の充実ぶりは注目される。プロから高く支持されている「マキタ」や「ハイコーキ」を軸に、海外メーカーの「ミルウォーキー」も商品ラインアップに加えた。需要が高い丸ノコは広い売場スペースを取って、標準的な外径165㎜だけでなく、各種サイズ、コード式や充電式など、さまざまな商品を幅広く揃えた。さらに、電動工具に関連する先端パーツや、作業工具、腰袋などの装備品も充実している。

電動工具売場

電動工具売場
「電動工具なら浦和さいど店」と思ってもらえるように圧倒的な品揃えを実現
近藤圭司氏
同事業部グループリーダーの近藤圭司氏

 「初めて売場を見た人は、圧倒的な品揃えに驚くはず。そういうインパクトが重要で、お客さまには電動工具ならビバホームプロ浦和さいど店と思ってもらえる。それが来店動機になる」と近藤圭司グループリーダーは話す。

 作業衣料は、職人の支持が高い「寅壱」と「BURTLE」、安全靴では高い安全性と機能性を誇る「アシックス」を強化した。取り扱うブランド数を絞り込む代わりに、そのブランドの商品は徹底的に品揃えするという戦略だ。

 作業用手袋もプロショップでは取扱店舗が少ない皮手袋まで揃えている。空調資材では、各種サイズや豊富な色の配管を揃え、スイッチ・コンセントも充実させた。空調資材に限れば、住宅設備機器のカテゴリーキラーとして知られる小泉(東京都/長坂剛社長)の「プロストック」にも負けないだろう。

 一方、顧客からは木材はないのかと聞かれることもあるという。吉野氏は、「家を建てるにもリフォームにも木材が必要なので、お客さまが木材を求めるのは当然。しかし、売れることはわかっていても、浦和さいど店では木材は扱わない。あえて入れないという覚悟で、この店舗のコンセプトは崩さない。今後もお客さまに品揃えの価値を認めていただいている工具と作業衣料などを深掘りしていく」と、信念は固い。

商品売場

商品売場
トップシェアのブランドに絞り込み、その商品を深掘りするMDを採用

スピードアップがいちばんの課題

 今年4月には、「ヤマダアウトレット松本店」跡地に居抜きで「ムサシプロ松本店」をオープンさせた(詳細は22〜23ページ参照)。同店は、売場面積が約1700㎡で浦和さいど店よりも広いため、木材や建築資材も充実させた。まとめ買いにも対応できるように在庫量も確保している。

 従来のHCの業態転換に加えて、松本店のように居抜き物件に出店することで、出店パターンのバリエーションも広がってきた。今後は地域性や売場面積などの物件の条件に対応して、さまざまなタイプの店づくりを進めていく。

 吉野氏は、「同業他社の出店スピードが加速しているため、アークランズにとっても、出店のスピードアップがいちばんの課題」と言う。

 今後は、人材の育成や女性活用にも積極的に取り組んでいく。

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