消費者調査で判明!生協宅配がコロナ後、ネットスーパーより利用維持している実態

解説:山室 直経 (mitorizDMB本部 本部長)
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新型コロナウイルス(コロナ)感染が収束しても高い利用水準を維持している生協宅配。実際、消費者の生協宅配の利用傾向は、コロナ禍を経てどのように変化しているのか。イオン(千葉県)の新ネットスーパー「Green Beans」(グリーンビーンズ)も含めて競合スーパーの利用動向とともに調査し、直近の生協の利用実態を分析する。

実店舗のみ利用がやや減少傾向に

 mitoriz(ミトリズ:東京都/木名瀬博社長)は、全国50万人以上のアクティブユーザーから月間1000万件のレシートデータを収集する消費者購買行動レポートデータサービス「マルチプルID-POS購買理由データPoint of Buy」(ポイント・オブ・バイ:以下、POB)を運営し、消費者の購買行動やその背景などを分析している。

2020年度は全国の地域生協の総供給高が初めて3兆円を突破した。
新型コロナウイルス(コロナ)感染が収束しても高い利用水準を維持している生協宅配

 今回は2023年8月18日~9月12日、東京都、千葉県に在住するPOB会員3179人を対象に、生協・ネットスーパーの利用動向についてアンケートを実施した。

 回答者に、ふだんの生活必需品の購入先を聞くと、「実店舗しか利用しない」が68.5%。生協・ネットスーパーを利用している割合は、「実店舗と生協・ネットスーパーを併用」(29.9%)と「生協・ネットスーパーのみ」(1.6%)を合わせて31.5%であった(図表❶)。参考までに昨年の生協特集の調査(全国対象)では、順に75.3%、23.6%、1.1%で、実店舗のみの利用者が減り、生協・ネットスーパーと併用する人がやや増えている傾向がある。

図表❶ふだんの生活必需品の購入先

 次に、直近1年間にメーンで利用したネットスーパーを尋ねた(図表❷)。その上位3生協の「コープデリ」「パルシステム」「東都生協」と、ネットスーパーで上位3社の「楽天西友ネットスーパー」「イオンネットスーパー」「イトーヨーカドーネットスーパー」を対象に、メーン利用者の購買動向を調べた。

図表❷直近1年間で、メーンで利用したネットスーパー

 メーン利用者を年代別で比較すると、3生協では「50代以上」が約7割を占め、その割合はネットスーパーよりも多い。また、家族構成をみると3生協では「3人以上」の割合がネットスーパーよりも多く、「子どもあり」世帯の割合も多い。

 利用頻度を比較すると、週次配送を基本とする3生協では「週に1回」の割合が76.5%で最も多かった一方、ネットスーパーでは「週1回未満」が84.2%を占めている。

ネットスーパーでも4割超が生鮮を購入

 コロナ収束後の利用の変化について聞くと、

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解説

山室 直経 / mitoriz DMB本部 本部長

山室直経(やまむろ・なおつね)

神奈川大学経営工学科卒業。パソコンメーカーを経て、米リサーチ会社にてコンサルティング業務を学ぶ。その後、大手家電量販店子会社のパソコンメーカーで経営企画室に従事。計数管理とERP導入による業務改善などのプロジェクトを経験した後、2012年3月ソフトブレーン・フィールド入社、消費者購買データ事業の新規立ち上げを行う。

現在はデータを軸とした事業開発と当社の基幹システムのDX戦略を担う

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