コロナでも店数増やした沖縄「やっぱりステーキ」 ネパール、豪出店の意外な理由とは
コロナ禍で有利に運べた家賃交渉 人件費を抑えるための工夫
コロナ禍で飲食店が事業拡大に二の足を踏む中で、「やっぱりステーキ」が事業拡大に踏み切れたのは家賃交渉がしやすくなったことが背景にある。
「やっぱりステーキ」を運営するディーズプランニングの義元大蔵代表取締役社長(48歳)は「空き室にするよりは誰でもいいから貸したかったのではないか。今までうちに振り向きもしなかったような不動産屋が逆に案件を持ってくるような状態だったので家賃交渉もしやすかった」と当時を振り返る。
出店に関しては、決して無理はしない。家賃比率は売上の5%内に収まるようにしている。家賃で折り合うことができない時は潔く出店を諦める。
飲食店は通常、FL(食材原価と人件費)コスト比率を食材費24~40%、人件費20~36%で抑え、二つの合計が売上の60%以上が適正値とされる。「やっぱりステーキ」の場合は食材費が40%前後、人材費が24%の合計64%となっている。価格改定を行い、食料原価を抑えることで食材費は今の数字に抑えたが、人件費は徐々に上がってきている。そのため、家賃を5%以内に抑えることは、利益を上げるためには必須となる。
「肉は開店当初と比べると1.8倍値上げした。電気代も人件費も上がっている」(義元社長)
店舗の大型化を避け規模を30坪前後に抑えているのは人件費を抑えるための工夫だ。
「一人の従業員が一度にこなせるお客さんの数は4〜5人。店は2〜3人で回せるようにしないとダメです」(義元社長)
人手が少しでもかからないようにするため、店内で自由におかわりできるサラダ、ご飯、スープはバイキング形式のセルフサービスだ。だが、ねらいはそれだけではない。
「ご飯少な目」と言っても一律、お椀半分のご飯が提供されるお代わりでなく、最後に一口だけ食べたい女性も自分で食べる量を調整できるようにしたのだ。「あと一口食べたい時に食べられないと顧客満足度は下がる」(義元社長)。