“ロピア化”するスーパーバリュー 越谷エリアで至近の2店舗が見せる連携と棲み分けとは
ロピア(神奈川県/髙木勇輔代表)は2022年末、埼玉県8店舗目となる「ロピア越谷大里店」(以下、越谷大里店:埼玉県越谷市)を開店した。レギュラー店の位置づけと見られる同店だが、注目したいのは昨年ロピアグループに入ったスーパーバリュー(埼玉県/岸本圭司社長)の店舗が至近にあるという点だ。ロピアの進出は同エリアの競争にどのような影響をおよぼしているのか。グループ企業間の連携、シナジーはあるのか。2店舗を調査した。(調査日:1月14、15、18日)※本文中の価格はすべて本体価格
ロピア越谷大里店
コーナン2階にオープン!生鮮に特化する標準店
ロピアが昨年12月にオープンした越谷大里店は、東武スカイツリーライン「大袋」駅から直線距離で約900mの場所にある。
同店がある埼玉県越谷市は首都圏のベッドタウンとして発展してきた経緯があり、人口は約34万人と県内で5番目に多い。越谷市北部に位置する大袋地区の人口は約5万人と市内13地区の中で最大で、世帯数は2万3000を超える。同地区の競合店としては後述する「スーパーバリュー越谷店(以下、SV越谷店)」のほかに、「業務スーパーせんげん台店」「ジャパンミート卸売市場越谷店」などがあるものの、いずれも1㎞近く離れている。
店舗はホームセンター「コーナン越谷大里店」の2階部分に入る。売場面積は約570坪(歩測)でレギュラー店の位置づけとみられ、青果、総菜、精肉が一直線に並ぶ、ロピアではおなじみの「生鮮ゾーン」を採用。正面から見て奥側の鮮魚売場を合わせた生鮮食品の売場スペース構成比は約40%に上り、ロピアが生鮮に特化したチェーンであることを再認識させられる。
要部門の売場を見ていこう。入口は催事コーナーで、特売商品が並ぶスペースを越えた先に青果売場がある。青果の売場面積は約70坪(歩測)で、壁面沿いに日替わりの目玉商品のほか、リンゴやメロンを配置。正面から見て左壁面は冷蔵ケース18尺にキャベツ(1玉100円)、大根(1本100円)、白菜(1/2カット100円)、もやし(1袋200g24円)など売れ筋を値ごろ感のある価格で提供する。平台を挟んで対面の冷蔵ケース48尺では、葉物や薬味などを並べている。
平台は幅約20尺5台の展開で、調査日は最前面で「長崎県産ゆめのか」、「栃木県産とちおとめ」(各1パック395円、3パック895円)、「福岡県産博多あまおう」(1 パック480円)など旬のイチゴを大きくアピールしていた。購入頻度の高い売れ筋商品の価格訴求が徹底された、ロピアらしい売場という印象だ。
大型サイネージで活気を演出!
続く総菜売場は、
DCS Report の新着記事
-
2024/12/19
いなげや統合で規模は国内最大手のU.S.M.H 加食日配の仕入れ統合へ -
2024/12/19
大手小売との提携で進める、Uber Eatsの日本市場攻略戦略とは -
2024/12/18
SPAの強みを生かし切る!メガネチェーン「Zoff」、上場後の成長戦略は -
2024/12/18
良品計画、清水智新社長が語る、良品計画の意欲的な成長戦略 -
2024/12/17
クスリのアオキ四国進出!買収SMフル活用し生鮮すべて直営の凄み -
2024/12/04
デジタルで進化するポップアップストア
この連載の一覧はこちら [259記事]
ロピア,スーパーバリューの記事ランキング
- 2024-12-06今週のスーパーマーケットニュース U.S.M.H、いなげやを完全子会社により経営統合
- 2024-12-14コンサル、業界関係者が語る「オーケーが関西で成功するか?」「競合がとるべき対策」
- 2024-11-08怒濤の出店で1兆円が見えたロピア!大きな進化と懸念される副作用とは
- 2024-10-18関西初の「ロピアモール」として出店! 「ロピア北加賀屋店」の売場を解説
- 2024-10-24名古屋市の都心部に出店! 「ロピア千種店」売場レポート
- 2023-11-02徹底分析!ロピアVS トライアル、福岡生鮮ディスカウント頂上決戦の勝者
- 2024-03-11ストアオブザイヤー2024、7~10位 ヤオコー、ロピアのあの店がランクイン
- 2022-06-03兵庫県三田市のニュータウン中心地に出店! 「ロピア兵庫三田店」の売場を解説
- 2024-07-11リニューアルでロピア化した「スーパーバリュー草加店」の売場を解説!
- 2024-09-26三重県に進出!新シリーズ商品並ぶ「ロピア桑名サンシティ店」の生鮮売場を解説
関連記事ランキング
- 2024-12-04ヤオコー、バロー、サミットで明暗 3月期主要SM24年度上期決算
- 2024-12-11強敵が次々商圏に出店!平和堂の戦略と新たなモデル店の成果とは
- 2024-12-12関西を攻めるバロー!大阪で あえて 激戦区に出店した理由とは?
- 2024-12-25ヨークベニマル泉玉露店の売場づくりを徹底解説!
- 2024-12-26東京・三軒茶屋の駅近に出店! 「スーパーベルクス世田谷太子堂店」の売場を解説
- 2024-12-24ヤオコー話題の新店、新百合ヶ丘店の売場づくりを徹底解説!
- 2024-12-10EDLPと独自化で対峙!自信あり、ライフの関西オーケー対策
- 2024-12-26ヨークベニマル大髙耕一路社長が語る、ヨークHD誕生の成果と自社が果たす重要な役割とは
- 2024-12-06今週のスーパーマーケットニュース U.S.M.H、いなげやを完全子会社により経営統合
- 2024-12-14コンサル、業界関係者が語る「オーケーが関西で成功するか?」「競合がとるべき対策」
関連キーワードの記事を探す
クックマート、独自性の高い品揃えと“ひと手間主義”で牛肉カテゴリーの価値訴求を強化
コンテスト参加による販売実績の伸長や陳列技術の向上など多様なメリット
いなげや統合で規模は国内最大手のU.S.M.H 加食日配の仕入れ統合へ
大手小売との提携で進める、Uber Eatsの日本市場攻略戦略とは
コンサル、業界関係者が語る「オーケーが関西で成功するか?」「競合がとるべき対策」
今週のスーパーマーケットニュース U.S.M.H、いなげやを完全子会社により経営統合
ロピア上陸で再編機運高まる北海道食品流通 炙り出される“非3極”の苦悩