イオン、セブン&アイも動く!小売業に必要な非競争領域の設定と協創!「チームK」の挑戦
2大グループキーマン登場で 商品マスター問題を解決へ
セミナーでは事例としてまず、「ロボットを導入しやすい(ロボットフレンドリー)環境」をどう実現するかについての現状と課題が話された。
働き手の高齢化と減少が進むなか、より産業を効率化しなければ収益確保もままならなくなる。ロボットフレンドリーな環境の早期実現は、誰もが課題として持っていることだろう。
ロボット活用は多くの業務で想定されている。その一例がEC、あるいは商品棚の在庫状況の確認や補充だ。ここでロボット導入に立ちはだかるのが、商品情報や画像が統一されていないという「商品マスター問題」である。これまでは各社が膨大な時間と手間をかけて、個別に商品特性や商品画像を含む商品マスターを作成してきた。各社同じやり方で同じ手間がかかるにも関わらずだ。
「共用された商品マスターがない」のがいまの日本の小売業の最大の課題の1つであり、協調することで、問題は解決され生産性は大いに上がる。本セミナーでは、課題解決のため、日本を代表する2大小売グループも賛同して、統一に向けた議論が進むことが明らかになった。
ここで、ゲストとしてイオングループのユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス副社長兼カスミ社長の山本慎一郎氏、セブン&アイホールディングスの執行役員 グループDX推進本部長、齋藤正記氏が登壇。
商品マスター情報については、イオングループ内でも、セブン&アイグループ内でもいまだ統一がなされていないのだという。
山本氏は「商品マスターは、商品画像を含む基本属性情報とマーケティング情報が含まれる。後者は競争領域として、前者を共創領域として製配販がタッグを組んで進めていくべきものだ」と説明したうえで、早期の実現のためにも「日本小売業協会など(の各種業界団体も)ぜひ参画してほしい」と訴えた。
それを受けて斎藤氏は「グループ事業会社とも連携しながら、この共創の輪を広げていくことが重要。山本さんが指摘したように、全部を変えるのはムリがあるものの「いま変える」ということを見据え、データの在り方と共有の仕方を考えるべきだ」と理解を求めた。