気鋭のアナリストが分析するコスモス薬品の強さと今後の焦点とは?

解説・文:柳平 孝 (いちよし経済研究所主任研究員)
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フード&ドラッグメインイメージ

昨今のフード&ドラッグ市場における中心的存在であるコスモス薬品(福岡県/横山英昭社長)。いまやドラッグストア(DgS)業界全体で見ても、第3位の売上高を誇る。直近の業績もコロナ特需の反動や原価・エネルギー費の高騰といった影響受けながらも堅調に推移。同社の経営戦略と、今後予測される成長図を考察する。

コロナ禍を経ても堅調な成長続く

 まずは足元の業績数値から見ていこう。コスモス薬品の2022年5月期の業績は14年ぶりの営業減益に終わったものの、23年5月期上期(6~11月)の実績は連結売上高4040億円(対前期比8.9%増)、営業利益153億円(同2.7%増)と増収営業増益に転じた。

コスモス薬品
コスモス薬品は標準化されたフォーマットを武器に高速出店を続ける

 一見、営業増益幅はコスモス薬品としては“微増”に感じられるが、出店費用と水道光熱費の大幅増加を考慮する必要がある。すなわち、前者は新規出店数の拡大(前期上期44店→当期上期51店)に伴う先行負担の増加、後者は電力単価の急激な高騰の影響(水道光熱費は対前年同期比58%増)である。これを加味すると、コスモス薬品の成長力がスローダウンしたとは考えづらい。

 実際、営業面では、既存店増収率は対前年同期比2 . 0 % 増、粗利益率も20.6%で同0.6%ポイント(ppt)改善している。また、フード&ドラッグとして享受したコロナ特需の反動減による前年上期の苦戦(22年5月期上期は既存店増収率が同1.2%減、粗利益率は同0.2ppt低下)からも回復しており、概して順調な業績推移といえよう。

 なお、23年5月期の通期計画は、連結売上高8135億円(対前期比7.7%増)、営業利益300億円(同0.7%増)、既存店増収率は同0.4%増というものである。下期(12~5月)に入って以降の既存店増収率は12~1月平均で対前年同期比1.7%増となっており、下期の計画(同0.5%増)に対して強含みで推移している(図表❶)。

図表❶コスモス薬品の既存店増収率の月別推移

横山社長が見据えるインフレ進行下の“勝機”

 コスモス薬品の

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解説・文

柳平 孝 / いちよし経済研究所 主任研究員

1991年北海道大学経済学部卒、同年大和総研入社。小売業界アナリストとして、INGベアリング証券(現マッコーリーキャピタル証券)、日興シティグループ証券(現シティグループ証券)などを経て、2011年1月より現職。公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員

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