焼肉のファストフード化戦略とは?一人焼肉推奨店「焼肉ライク」躍進の秘訣を有村壮央社長に聞く
チルド流通を可能にする回転の速さ
それでは肉へのこだわりについてもみていこう。焼肉ライクでメインで使用している肉は冷凍ではなくチルド肉だ。冷凍に比べ、チルド肉の方が味は保たれやすいものの、当然日持ちや品質管理の面で手間がかかる。実はここでも、焼肉ライクという業態の特性が関係してくる。
有村社長によると、「とにかく回転率を高めることが、フレッシュな肉を常に提供できる体制のカギ」だという。前述の通り、焼肉ライクは20分で食べられる焼肉が当初からのコンセプトでもあり、世間に受けた要素の一つでもある。良い立地で集客をあげ、お客の求めるスピーディさがより新鮮でおいしい肉の提供につながる。「おいしかった」と感じてもらえればリピートしやすい業態でもあり、それが店舗の採算を長く支えることにもなるという好循環がそこにはある。
さらにファーストフードとして、話題を創出する新たな挑戦も忘れない。期間限定で生ラムを使った「ひとりジンギスカン」や、大豆を使用したフェイクミートなどのメニューも販売。「面白いな、と思ってもらえるエンターテインメントとして焼肉を昇華させていきたい」と有村社長は話す。