食品Eコマースを制する?「Qコマース」とは何か

宮川耕平(日本食糧新聞社)
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配達スパンで市場をすみ分ける?

OniGOが東京都目黒区に開設したダークストア1号店の店内
OniGOが東京都目黒区に開設したダークストア1号店の店内

 もっと長いスパンの購入ルーティンとして、Amazonには「定期おトク便」というサービスがあります。定期購入する商品を2週間~6ヵ月の幅で指定できるというもので、リピートが決まっている商品の買い忘れ防止になります。購入直前になると確認メール来るので、私は価格を毎回チェックします。その際、値段が変わってリアル店舗と比べこの価格差では……と思ったら中止します。便利さだけで購入は決められません。

 ひとくくりに食品といってもカテゴリーの幅は広く、購入直後に消費してしまうものから、長期間ストックするものまで購入スパンの幅は広いものです。配達して欲しいタイミングはいろいろで、価格や品揃えといった要素も含めて検討する必要があります。

 これからの食品Eコマースはどのように進展するのでしょうか? 現時点では、スピードが全てを凌駕するとも、週単位で全部OKとも、中間をとって翌日配送がベストであるとも、いえない状況です。

 各サービスは配達スパンでニーズをすみわけしつつ、それぞれの配達スパンの領域で品揃え・価格・配達品質のバランスを競い合うことは予想できます。つまり当面は、即時、翌日、週間、月間と配達スパンごとにニーズを掘り起こし、各社が競争しながら発展していくのではないでしょうか。この配達スパンのすみわけを打ち破ることに成功する事業者が出てきたとき、食品Eコマース市場は一変するかもしれません。

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