有力スーパーとは差があったベルクの総菜、ここにきて一気に進化!【総菜部門の売場・商品徹底解説】
近年の即食ニーズの高まりを受けて、食品スーパー(SM)各社は総菜部門を強化してきた。その傾向はベルク(埼玉県/原島一誠社長)にも見られる。効率、生産性を重視する企業ながら店内加工の出来たて商品の提供にも注力。ここ最近ではトレンドを反映した商品開発にも積極的に取り組んでいる。ベルクの最新の総菜開発を調査・分析した。
商品力の高いアウトパック商品
今回、調査に訪れたのは、JR埼京線「戸田」駅から南西約1.5㎞にある「ベルク戸田氷川町店」(埼玉県戸田市:以下、戸田氷川町店)。2021年7月14日にオープンしたばかりの新しい店舗だ。周辺には戸建て住宅地とマンションが混在し、若い世代も比較的多く居住している。
ベルクの売場レイアウトは標準化されており、メーン出入口から主通路沿いに青果、鮮魚、精肉、和洋日配、総菜の順に売場を配置する。戸田氷川町店も同様だ。
戸田氷川町店の総菜部門の全体的な印象としては、その品揃えや売場づくりから、若い世代を中心に新たな客層を取り込もうと、積極的に新しい商品開発に挑戦している姿勢が伝わってくる。
順に見ていくと、まず売場配置については、壁沿いではサラダや和洋総菜、揚げ物、寿司、サンドイッチ、スイーツを販売。売場中央では、冷蔵多段ケースでチルドの麺や米飯を、平台で弁当などを販売する。壁面の一部にはガラス窓を採用し、加工場を見せることで店内調理の出来たて商品であることを訴求している。
ベルクは、徹底した標準化による生産性の高さを強みとする企業だ。そのため、総菜の品揃えは基本的に全店で統一されている。そのうち和洋総菜については多くの商品をアウトパックで供給しており、その大半はベルク100%出資の連結子会社であるホームデリカ(埼玉県)の総菜工場で製造されているものだ。
注目したいのはこのホームデリカ製の総菜の商品力が高いことだ。1998年3月に設立され、長年蓄積してきた商品開発・製造のノウハウの高さがうかがえる。たとえば、青森県産のごぼうと人参を大きめにカットし、しっかりと味付けした「田舎風きんぴら」(100g・94円:以下、税抜)や、北海道産のじゃがいもを使用し、味と食感にこだわった「ポテトサラダ」(100g・94円)は、手作り感があっておいしく、それでいて価格も安い。「鶏五目おこわ」(198円)は、ふんわりときれいに盛り付けられており、ボリューム感がある。定番商品のほかにも、スイーツ感覚で食べられる新感覚を打ち出したかぼちゃサラダ「かぼ蜜れもんSALADA」など、デパ地下を意識したような商品も見られた。
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