アクシアル原和彦社長が語る、人口減高齢化社会と「健康提案」の深い関係性

聞き手:阿部 幸治 (ダイヤモンド・チェーンストア編集長)
構成:松岡 由希子 (フリーランスライター)
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人口減大

多くのローカルエリアと同じく、アクシアル リテイリング(新潟県:以下、アクシアル)が商勢圏とする新潟県でも人口は減少し続けており、事業環境は厳しくなる一方だ。ただ、そうしたなかでもアクシアルは地域内で圧倒的な存在感を示し、業績を伸ばし続けている。なぜ、アクシアルは縮小マーケットで成長を続けられるのか。ローカルマーケットの戦い方を原和彦社長に聞いた。

加速する人口減少止まらない“胃袋”の縮小

──事業エリアの人口動態をどのようにみていますか。

アクシアル リテイリング代表取締役社長 原和彦氏
原 和彦(はら・かずひこ)●1967年生まれ。89年、日本大学農獣医学部卒業、西友フーズ入社。94年、原信入社。2000年常務取締役。07年原信ナルスホールディングス専務取締役。08年原信ナルスホールディングス(現アクシアル リテイリング)代表取締役社長。13年10月から現職。

原 新潟県の人口は、1997年(249万人)をピークに減少を続けており、2021年4月1日時点で対1997年比12.3%減の218万4100人、2045年には170万人を下回ると予測されています。近年は減少ペースが加速し、毎年1%程度、人口が減少しています。

 県内人口は、ピークからわずか20年あまりで、第2都市の長岡市の人口よりも多い30万人以上、減少したことになります。当社では、00年頃までは各店舗の売上高は前期実績を上回るのが平常でしたが、近年は、それすら容易ではなくなってきました。人口減少が今後さらに加速するなか、事業環境はより厳しくなるとみています。

──1997年以降、事業エリアの人口が減少する一方で、アクシアルは事業規模を急速に成長させていますね。

原 県内人口がピークを迎える直前の90年代前半に、食品スーパー(SM)のマスメリットを生み出す戦略として、多店舗化、物流センターを基点としたドミナント化、SMを核とするNSC(近隣型ショッピングセンター)にシフトし、物流体制の構築など、その基盤となる体制や仕組みを整備してきました。一連の取り組みが奏功し、97年以降、成長軌道に乗りました。

──人口減少や高齢化に伴って、食料消費の減少も見込まれます。

原 人口減少と高齢化の掛け合わせはすなわち“胃袋”の縮小です。食料需要は総じて縮小に向かっています。そこで当社では、5~6年前から、人口減少や高齢化をふまえた商品政策(MD)として、

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聞き手

阿部 幸治 / ダイヤモンド・チェーンストア編集長

マーケティング会社で商品リニューアルプランを担当後、現ダイヤモンド・リテイルメディア入社。2011年よりダイヤモンド・ホームセンター編集長。18年よりダイヤモンド・チェーンストア編集長(現任)。19年よりダイヤモンド・チェーンストアオンライン編集長を兼務。マーケティング、海外情報、業態別の戦略等に精通。座右の銘は「初めて見た小売店は、取材依頼する」。マサチューセッツ州立大学経営管理修士(MBA)。趣味はNBA鑑賞と筋トレ

構成

松岡 由希子 / フリーランスライター

米国MBA 取得後、スタートアップの支援や経営戦略の立案などの実務経験を経て、2008年、ジャーナリストに転身。食を取り巻く技術革新や次世代ビジネスの動向をグローバルな視点で追う。

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