「タイム・コンビニエンス」に活路 セブンイレブン永松文彦社長が「CVSの成長に限界はない」といまも断言する理由

聞き手:阿部 幸治 (ダイヤモンド・チェーンストア編集長)
構成:太田 美和子
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コンビニ大

新型コロナウイルス(コロナ)感染拡大で業績が大きく落ち込むコンビニエンスストア(CVS)業態。そうしたなかでも首位セブン-イレブン・ジャパン(東京都:以下、セブン-イレブン)は、ほかの大手CVSと比較してその減少幅を抑えることに成功している。同社はコロナ禍でどのような施策を打ち、今後のCVS市場でいかに成長を遂げようとしているのか。同社の永松文彦社長に聞いた。

店舗周辺の「生活者」の需要にフォーカス

──2020年はコロナがCVS企業の業績を直撃し、セブン-イレブンも21年2月期は減収減益となりました。しかし四半期ごとにみると、業績は回復基調にあります。

セブン‐イレブン・ジャパン代表取締役社長 永松文彦氏
ながまつ・ふみひこ●1957年東京都生まれ。80年3月セブン-イレブン・ジャパン入社。2004年に執行役員業務本部長、12年執行役員オペレーション本部ゾーンマネジャーを経て14年3月にニッセンホールディングス代表取締役副社長。17年5月、セブン&アイ・ホールディングス執行役員人事企画部シニアオフィサー、同年12月、セブン-イレブン・ジャパン執行役員人事本部長、18年3月、セブン&アイ・ホールディングス執行役員人事企画本部長。19年3月、セブン-イレブン・ジャパン取締役執行役員副社長を経て同年4月より現職。

永松 CVSはこれまで、行楽や通勤といった人が移動する際に利用いただくことが多い業態でした。そのため、人の行動が制限されるコロナ禍では、セブン-イレブンでもオフィスや行楽地立地の店舗は売上が減少しました。一方で、住宅立地の店舗は“在宅需要”などの高まりで売上高が前年と比べてやや増加しました。オフィスや行楽地立地の店舗についても周辺にお住まいの方の利用は増えています。

 CVSは、日常の食を中心に扱う店舗ですから、お客さまのニーズは必ず存在します。ただし、今回の感染症の流行のような環境変化によってニーズのかたちは変わります。その変化に対応し続けることが重要です。こうした考えのもとセブン-イレブンではコロナ感染拡大後、店舗周辺で生活するお客さまへの対応を強化しています。

──具体的にはどのような取り組みをしたのでしょうか。

永松 コロナ禍ではまとめ買いニーズが高まり、1人のお客さまが利用するCVSの数は減っています。ですので、そのなかで選ばれる店をつくり、また1品でも多く購入いただけるように提案力を高める必要があります。

 そこでセブン-イレブンでは、店舗の売場レイアウトを「2020年度版新レイアウト」へと転換しています。具体的には、家飲み需要を取り込むべく酒類売場を拡大し、そこに総菜やおつまみの売場を連動させたレイアウトです。すでに20年度には5000店舗以上を同レイアウトに変更し、現在は対象となる約1万2000店への導入を進めている最中です。

 全店一律のフォーマットから脱却し、立地や客層に応じた店づくりも進めています。店舗数が2万店を超える当社では、店によって求められる商品や品揃えが異なります。その違いに対応することで需要をより獲得できるように、店舗を

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聞き手

阿部 幸治 / ダイヤモンド・チェーンストア編集長

マーケティング会社で商品リニューアルプランを担当後、現ダイヤモンド・リテイルメディア入社。2011年よりダイヤモンド・ホームセンター編集長。18年よりダイヤモンド・チェーンストア編集長(現任)。19年よりダイヤモンド・チェーンストアオンライン編集長を兼務。マーケティング、海外情報、業態別の戦略等に精通。座右の銘は「初めて見た小売店は、取材依頼する」。マサチューセッツ州立大学経営管理修士(MBA)。趣味はNBA鑑賞と筋トレ

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