レシートは語る 第2回まいばすけっと コロナ禍での利用実態が明らかに!

ソフトブレーン・フィールド IT戦略部部長 山室直経 
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スーパーとコンビニの
中間的な存在に!?

 では、「まいばすけっと」は具体的にどのように利用されているのだろうか。総合スーパーの「イオン」、食品スーパーの「ライフ」、コンビニエンスストアの「セブン-イレブン」と比較し、その特徴をみてみよう。

 図2は、各チェーンのレシート1枚あたりの平均購入点数・平均購入金額・1点あたりの単価を比較したものだ(19年と20年比較)。

 「まいばすけっと」では、買物1回当たりの平均購入金額は618円、購入点数4点、1点あたり単価は150円だった。とくに目をひくのは1点当たり単価の安さだ。20年は150円で、3チェーンとは50円以上の差がある。

図表2●「まいばすけっと」「イオン」「ライフ」「セブン-イレブン」の購入状況
図表2●「まいばすけっと」「イオン」「ライフ」「セブン-イレブン」の購入状況

 利用特性を3チェーンとの比較で分析すると、「イオン」「ライフ」は平均購入点数が2点ほど多く、1点単価も高い。結果、平均購金額は2倍以上となっている。「イオン」「ライフ」の方が、日常の食をまとめて購入される傾向が見てとれる。

 1月に実施した会員アンケートにおいて、直近半年のうちに「まいばすけっと」で買物経験のある人(N=332人)に利用する理由について問うたところ、「早朝から深夜まで営業時間が長いため利用しやすい」、「毎日食べる食品(パン・牛乳・卵など)や、足りなくなった食材を購入するために利用する」など、気軽に立ち寄れる利便性に対するコメントが多かった。このことから「まいばすけっと」は「日常の食材を買い揃える」のではなく、「食材を買い足す」利便性の高いスーパーと位置付けられていると考えられる。

 では、同じく利便性を強みとするコンビ二との比較ではどうか。「セブン-イレブン」とは平均購入金額は大きく変わらないものの、「まいばすけっと」の方が1点単価は安く、平均購入点数は多いのが特徴だ。

 そのうち平均購入金額の安さについては、「まいばすけっと」はエブリデー・ロープラスの価格戦略をとり、またイオンのプライベートブランド「トップバリュ」の商品を多く差し込んでいることが要因の1つと考えられそうだ。会員のアンケート結果では、とくに「菓子」「パン」「アルコール飲料」などはコンビニと比べて安いため、それを目当てに利用するという声が少なくなった。

 これらの傾向から「まいばすけっと」はその低価格を武器に、コンビニより日常の食品を多く購入する店となっていると想定される。

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