コロナ禍の20年4月に社長就任 エバラ食品工業の森村剛士氏が語る「エバラらしさ」とは
5カ年経営計画でエバラらしさを追究
──エバラ食品工業は19年度より、中期5カ年経営計画「Unique(ユニーク)2023 ~エバラらしさの追究~」をスタートしています。
森村 基本とする戦略方針を「コア事業による収益強化と戦略事業の基盤確立」「“エバラらしく&面白い”ブランドへの成長」と定め、企業成長に向けたチャレンジを継続し、エバラの独自性、面白さに磨きをかけて、事業規模の拡大とエバラブランドの浸透を図るという計画です。
現在は「Unique 2023」第1フェーズの2年目です。「コア事業による収益強化と戦略事業の基盤確立」に関しては、事業基盤の整備強化やコミュニケーションの進化を通じた多様な価値創造を推進し、「黄金の味」の売上伸長、ポーション調味料の市場拡大、業務用事業の収益力強化および戦略事業の基盤確立に向けた取り組みの強化を進めています。
もうひとつの戦略である、「“ エバラらしく&面白い”ブランドへの成長」に関しては、コロナ禍において働き方やコミュニケーションのあり方が大きく変化する中、環境に応じて組織機能を見直すことで、従業員の働きがいにつなげていきたいと考えています。
──コロナ禍で発揮される“エバラらしさ”はどのようなものだとお考えでしょうか?
森村 当社は、「黄金の味」や「すき焼のたれ」「浅漬けの素」といったカテゴリーナンバーワンブランドを保有しています。計画的に短時間で買い物を済ませる傾向が高まる中、そうしたブランドバリューが力を発揮すると考えています。また、TVやインターネットといったメディアプロモーションや、商品サンプリング、消費者キャンペーンなどのコミュニケーション施策を活用しながらお客さまへのアプローチを展開してまいります。コロナ禍によりお客さまの「健康」「時間」「情報」に対する意識が大きく変化したととらえています。とくに「健康」という要素は「なくてはならないもの」なので、エバラらしいアプローチで「健康」へのお役立ちをお届けしたいと考えています。
──“健康”は多くの食品小売業も注目しているキーワードですね。
森村 「食べる」ことは体づくりに直結します。長引くコロナ禍により、食事を通じて免疫力を高めるといった「予防」意識の高まりがあり、そこから生まれるニーズに対して当社ができるお役立ちはあると考えております。
今後も、変化するニーズを的確にとらえ、皆さまの心身の健康に貢献できる商品・サービスの提供、食育を含めた社会貢献活動を間断なく進めることで、お客さまに選んでいただき、小売店さま、流通さまをはじめとする食品業界全体に貢献してまいりたいと考えております。