ワークマンはなぜ、2倍売れたのか?3つのアマゾン対策とは 土屋哲雄専務が語る!
ワークマン独自の「善意型サプライチェーン」の強み
ワークマンは、「善意型サプライチェーン」と呼ぶ独自のサプライチェーンを採用している。通常、仕入数や発注数は「仕入れる側」が決める。しかしワークマンではこれが逆になっている。つまり、加盟店ごとの仕入れ数量は本部が決める。本部の持っているデータから需要が予測できるからだ。また、本部としての生産量は、ベンダーに決めてもらう。各ベンダーは、ワークマン以外の製品も製造しており、より多くの販売データをもっているからだ。このように、情報優位者が意思決定をするのが善意型サプライチェーンの特徴だ。
この方式だと、ベンダーが必要以上に生産し、「押し込んでくる」のではないか、と不安に思うかもしれない。しかし、最低5年売り続けるものを最初に大量に生産しても以降の生産量が落ちるだけだ。、結局は、無理な生産はせず需要予測に基づく適正な数量を作るようになるというわけだ。相手の善意に任せて運営する方式とも言え、そのためこれを「善意型サプライチェーンマネジメント」と呼んでいる。
ベンダーの8割は創業以来の付き合いだ。ベンダーに限らず、関係先を固定化することで余分なコストを発生させないということをワークマンは徹底している。加盟店の契約更新率は99%で、加盟店にとってワークマン運営はもはや家業に近いものになっている。加盟店のうち50%は、息子、娘が事業継承するという。