ワークマンはなぜ、2倍売れたのか?3つのアマゾン対策とは 土屋哲雄専務が語る!

兵藤雄之
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改革の三要素は顧客、商品開発、オペレーション

 現場の改革に必要な要素は「顧客、商品開発、オペレーション」の3つしかないと土屋氏は考えている。その中でまず目標として掲げたのが「客層の拡大」だ。土屋氏は、「客層の拡大は実は虫のいい話で、新しい製品ラインを開発するのではなく、これまでと同じ製品を“異なる客層に売る”ということを考えた。(新規顧客層向けの)ワークマンプラスと従来のワークマンは取り扱い商品はほぼ同じだが、商品の見せ方を変えるだけで、既存の各種プロのお客と、新規の一般客がそれぞれ自分の店と考えて利用するようになる。そうするためには、5年でも10年でも、20年でも、いくら時間をかけても構わない。実現するまでやり切る」という思いでいたという。

 次に商品についてだ。ワークマンには200万人の固定客がおり、その90%が作業服を求めに来る常連客で、およそ月に1回来店するという特性がある。しかも、彼らは引退するまで来店するプロの職人であり、値札を見ないで購入を決める。その一方で、品質や接客、欠品などで1度でも「裏切られた」と感じたら二度と来店することはない。この層の支持を得続けるために土屋氏が考えた方針は、まず「他社が5年は追いつけないものをPBとして開発する」ことだ。最低5年間は売り続けることができるため、1年目の売れ行きや動向は気にしない。2年目から各種データに基づいて需要を予測し、商品開発部の部長が決定した生産量に合わせて生産を行う。オペレーションに関しては、「経営の本気度を示すことが大切だ」と言う。目標に期限を設けるより、必ず実現することを優先する方針に変更した。社員は社長の顔色を見ている。「いつ実現できるかを社長が社員に対してコミットさせてはダメだ」と土屋氏は考えた。幹部の任用条件も変えた。改革マインドをもっていること、データ活用力があること、この2点をクリアできなければ部長以上にはなれない仕組みに変更した。

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