コープこうべが宅配と店舗の事業部を統合するねらい
関西エリア最大の地域生協である生活協同組合コープこうべ(兵庫県/木田克也組合長理事)は、新型コロナウイルス(コロナ)感染拡大による需要急増の影響を大きく受けた生協の1つだ。同生協は今回のコロナ禍を経て宅配事業の基盤強化をいっそう推進。組織の抜本的な改革により店舗事業との連携を進めることで成長を図ろうとしている。
新規宅配利用者数が4月だけで7000件増
コープこうべではコロナ禍において、その他の生協と同様に宅配事業の利用が大きく拡大した。ここ数年、宅配の利用者数は毎年3000~4000件増加していたが、2020年度は感染者が広がり始めた2月末以降、大きく伸長。とくに緊急事態宣言が出されて以降は顕著で4月だけで7000件を記録した。
供給高も大きく伸びた。宅配事業はここ数年は毎年、対前年度比1~2%増で推移していたのに対し、20年度上期は対前年同期比で約18%増加。近年不振が続いていた店舗事業も同7%増と前年実績を大きくクリアする見通しだ。
業績絶好調の背景で「宅配利用の急増にともなって物流の現場は大きく混乱した」とコープこうべ専務理事の岩山利久氏は当時を振り返る。
とくに宅配事業の物流では、利用者、利用点数が増加したことで、商品を集荷・仕分けする物流センターのキャパシティが限界を超えた。商品の配送体制も追い付かない状況となり、そのため4月末頃には新規加入者のサービス利用開始を一時中止するに至った。
曜日ごとの配送件数を平準化し対応件数アップ
そうしたなかコープこうべは、可能なかぎり組合員のニーズに応えるべくさまざまな対策を打った。
まず、物流センターの負担軽減だ。食パンをはじめ一部の購買頻度の高い商品の仕分け作業を、物流の最終拠点である「協同購入センター」に移管して行うようにした。
次に配送体制の対策では、協同購入センターにおいて、曜日によってバラつきがあった物量を均等化する施策を推進した。コープこうべの配達日は火~土曜日までの5日間だ。しかしそのうち火~金曜日に配送件数が集中する一方、土曜日は少なくムラがあることが以前からの課題だった。
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