新連載・常盤勝美の実践ウェザーMD #1 「ウェザーマーチャンダイジング」とは
気象データ活用の先駆けはあの業態
もう1つは、当初コンビニエンスストアで、発注仕入れを行うパソコンの画面の中に気象情報を表示させるような機能が取り入れられたことです。それまでは店舗から電話番号「177」をダイヤルして気象庁の天気予報電話サービス(若い人はもはや知らないかもしれません…)を聞くか、発注担当者が出勤前に家や車の中で聞く天気予報の内容を覚えて毎日発注作業を行っていました。
それが発注の際、しかもその店舗のピンポイント予報という形でパソコンの画面に気象データが表示されるようになりました。その施策が廃棄ロス、機会ロスの削減に大いに貢献したことがコンビニエンスストアでの決算発表の場で示されたのです。この頃から、店舗で使う発注端末上に気象データが表示される仕組みが流通小売業界に一気に広まっていきました。
ひとくちにウェザーMDといっても、さまざまな部署で、それぞれの用途で活用されています。私がこれまでお手伝いさせていただいた内容を中心に、次回は主に食品スーパーにおけるウェザーMDの活用手法についてまとめたいと思います。
常盤 勝美
株式会社True Data 流通気象コンサルタント 神奈川県小田原市生まれ。大学で気候学、気象学を専攻した後、20年以上にわたり民間気象情報会社にて、コンビエンスストア、スーパーマーケット、食品メーカーなどに対してウェザーマーチャンダイジングの指導などを行う。現在は株式会社True Dataに所属し、流通気象サービスを推進している。著書に「だからアイスは25℃を超えるとよく売れる」(商業界)など
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