7月よりレジ袋有料化 お客も会社も地球も、3方良しのビッグ・エーの取り組み
有料化制度、抜け道もあるが…
そのほか、たくさんのルールがあり、やりようによっては「制度逃れ」もできなくはない。例えば、レジ袋の中身が商品でなければ対象外となる。そのため、無料で配布するサンプルなどをレジ袋に入れたとしてもそれは有料化とはならない。一例として、オープンセールの際に見られる光景として、入店時などに景品やサンプルをレジ袋に入れてお客に配るのも対象外。お客は無料でもらったレジ袋に商品をつめて帰ることができる。
「商品購入時にお客が辞退可能か 」 も重要な判定条件。福袋のように陳列されている時点で袋につめてあれば、レジ袋込みで商品と見なすことができ、お客が辞退できないためだ。これを活用して、袋込みの商品を作れば、制度上は対象外となる。
とはいえ、いくら工夫を凝らそうとも、「レジ袋の使用枚数を減らして、プラスチックの過剰使用を減らし、環境負荷を低減させよう」という制度の趣旨に反するアクションは、環境意識、社会貢献意識の高い消費者が増えているなかで、社会的責任を果たしていない企業とのレッテルを貼られることになりかねない。特定のエリアにある店舗や特定の業種だけがレジ袋有料化の対象になっているわけではないので、制度に沿って、どれだけレジ袋使用枚数、ひいてはプラスチックの使用量をお客と一緒に減らせるかに挑戦して、その成果を店とお客とで分かち合う方が健全だろう。
もちろん、商品の袋詰めサービスを行う店舗にとっては、「他人の(が)エコバックに触れる」ため、ウィズ・コロナの時代に店員、お客双方にとって不満・不安の火種になりかねない。「袋詰めサービスを自店にとって大事な顧客接点」と捉えている企業にとっては、大ごとだ。苦渋の選択を迫られることもあるだろう。