じわり広がる「平和堂経済圏」とは何か?
ファミリーレストランや寿司店といった飲食チェーンを手掛けるのが、平和堂グループのファイブスター(滋賀県/西川好人社長)である。地場素材を使ったメニューを充実、地域密着型の店舗運営に力を入れているのが特徴。小売業にとどまらない事業展開に「平和堂経済圏」の広がりを感じさせる。
複数ブランドで92店を展開
ファイブスターの設立は1984年12月。女性の社会進出を先見した平和堂の創業者、故夏原平次郎氏が、休日に有職女性を家事から解放し、家族団らんやコミュニケーションの場として利用してもらおうと外食事業に着眼したのが起こりである。
同年、滋賀県近江八幡市に、ファミリーレストラン「ココス」1号店を出した後、業態や出店エリアを広げながら着実に事業を拡大。現在、滋賀県25店、福井県10店、石川県16店、富山県16店、岐阜県12店、京都府6店、奈良県7店の合計92店を展開する。
複数ブランドを持ち、「ココス」(78店)のほか、寿司店の「海座」(8店)、串焼きや串揚げの「いちおしや伝五郎」(6店)がある。
2023年2月期の売上高は95億4900万円。
ロードサイドに単独立地するほか、他の食品スーパーが入る商業施設敷地内へ出店するケースもあり出店形態は多様。ただ「可能な限り平和堂の店舗とともに出店し、グループの集積効果による強みを発揮したいとの思いがある」。こう話すのはファイブスターの西川好人社長である。
20年初頭から始まったコロナ禍では、苦難の時期を経験。だが感染状況が落ち着きを見せるに伴い徐々に業績が回復。23年5月度の売上高はコロナ禍以前の19年度同月比98%まで戻してきた。
その中、近年は店舗の効率運営をめざした取り組みや平和堂との連携にも力を入れる。滋賀県近江八幡市に海座向けのプロセスセンターを構え、一部の魚を切り身やフィーレに集中加工することで店舗での作業を軽減。また平和堂の鮮魚部門と組み、富山県の氷見漁港で水揚げされたブリを共同
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