強い品群のさらなる強化と高付加価値商品の開発を進める=テーブルマーク 香川 雅司 社長
付加価値型のワントレー商品が好調
──19年度はしっかり収益を確保したいとのことですが、どのような営業戦略を考えていますか。
香川 収益の柱として大きく3つを考えています。1つめは、テーブルマークにとって強い品群である冷凍うどんやパックごはんなどに資源配分し、強化していくこと。
2つめは、そうした強い品群のボトムライン(利益)を上げることです。昨年、新潟県の魚沼水の郷工場の敷地内に約87億円を投資して、最新鋭の設備を導入した冷凍うどん専用工場を稼働させました。全製造工程を自動化することで、人手不足問題に対応するとともに、生産性と品質の向上を実現。結果としてロスを下げています。つまり、トップライン(売上)とボトムラインを同時に上げることで、全体として大きく増益させるという戦略です。
3つめは付加価値型商品の開発です。その1つが、2、3年前から強化に取り組んだワントレー商品。トレー入りでお皿がいらず、味付きで具材も入っているので、外袋のままレンジ調理で手軽に喫食することができます。しかも1人用なので、ターゲットやオケージョンに合わせて、さまざまな商品を投入しています。おかげさまで、ワントレー商品は好調に推移しており、当社の調べでは2ケタ近く伸びています。3月1日には春夏の新商品として、独身男性をターゲットに、夕食というオケージョンを想定した「讃岐麺一番 肉ぶっかけうどん 大盛り」を投入しました。
──ワントレー商品において、とくにニーズの高いターゲットはありますか。
香川 やはり女性、詳しく言うと、有職女性です。有職女性といっても、働くママもいれば、シングルの人もいる。そうなるとそのニーズは違ってくるので、それぞれに合わせた商品を投入していかなくてはなりません。それこそが付加価値化だと考えています。
──商品のブランディングについては、どのような考えで行っていますか。
香川 私どもはマーケティング施策をM施策、セールス施策をS施策と呼んでいますが、M×Sの施策が大事だと考えています。単にテレビCMを打てばいいというのではなく、そのタイミングに合わせて、エンドのお客さまにきっちりと伝えていく。そうしたM×Sの施策によって、消費者にしっかりとリーチしていく必要があります。
当社は創立10年目ということもあって、まだ旧会社のブランドが強いところがあります。したがって、「テーブルマーク」というコーポレートブランドを押し出すのではなく、まず商品のほうからブランドを育成し、「テーブルマークって、こういう商品をつくっているんだ!」と消費者に認識してもらう。今はそういうステージにあると思っています。