新しい!ダイソー、「1 兆円1万店」に向け進化する組織、売場、商品、フォーマットとは

雪元 史章 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集長)

米国での出店を強化海外売上比率30%へ

 こうした革新を進めながら、大創産業が中長期での達成をめざすのが、「国内外1万店舗・売上高1兆円」という壮大な目標だ。

 これを成し遂げるためには、やはり「出店」がモノを言う。そこで大創産業がさらなる強化を図るのが、海外での出店だ。最重要視するのは米国。激しいインフレの波が襲う同国において、ダイソーは幅広い顧客層を取り込んでおり、成長余地が大きいと見るためだ。現状は主要都市をメーンに約90店舗を展開しているが、これを早期に1000店舗体制に広げる。

 また、東南アジアではすでに稼働している物流・製造拠点の機能強化を図る。これによりアジア、中東、オセアニア地域でのさらなる出店にも弾みをつけたい考えだ。これらの取り組みにより、30年には海外での売上比率を約30%に高めることをめざす。

 一方、「日本国内においても出店余地は多分にある」と矢野社長は見る。東京23区内をはじめ店舗空白地はまだ存在するほか、ダイソーの集客力の高さから、商業施設デベロッパーやSMやホームセンター(HC)など小売業からのテナント出店の要請も多いためだ。さまざまな立地、サイズ、フォーマットでの出店を国内でも進めることで、「6000店舗規模までは実現可能」(矢野社長)と見ている。

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記事執筆者

雪元 史章 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集長

1987年石川県生まれ・東京都育ち。上智大学外国語学部(スペイン語専攻)卒業後、運輸・交通系の出版社を経て2015年ダイヤモンド・フリードマン社(現 ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。編集記者、副編集長を経て25年4月より雑誌ダイヤモンド・チェーンストアおよびダイヤモンド・チェーンストアオンライン編集長。

これまで、企業特集(トライアルカンパニー、大創産業、クスリのアオキ、万代など)、エリア調査・ストアコンパリゾン、ドラッグストアの食品戦略、海外小売市場などを主に担当。好きな食べ物はケバブとスペイン料理。趣味は無計画な旅行とサウナ。最近は年齢相応(?)にランニングにハマり、フルマラソンも完走。

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