既存店の業態改革が着々、上期で経常利益黒字化を達成=ダイエー 桑原道夫 社長

聞き手:千田 直哉 (株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア編集局 局長)
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──フーディアムとビッグ・エーは好スタートを切ったということですね。一方でSM、SSM、SSM+MD、SSM+MD(大型店)といった既存のフォーマットについてはどのような取り組みをしていますか。

SSMフォーマットのモデル店
今年10月に開業した藤沢店(神奈川県)は、SSMフォーマットのモデル店

桑原 昨年はSSM+MD、SSM+MD(大型店)に問題がありましたが、これが上期に大きく改善しました。社内目標には到達できませんでしたが、改善幅としてはSSM+MDがいちばん大きかったですね。SSM+MDは店舗数が多いですから、営業利益の改善に大きく貢献しました。

 SSM+MDが伸びたのは、精力的に取り組んできたMD改革の成果が出たからです。SSM+MDは、店舗ごとにお客さまから要請されるものを品揃えするように改善しました。そのために今年の上期までに、たとえば「自転車」「ホームファッション」「スポーツ&シューズ」といった16のMDのメニューをつくりました。店舗ごとに、必要とされるものを選んで導入する方針です。こうした取り組みの成果が、今年の上期の数字に表れ始めたと見ています。

 とくにホームファッションは、東日本大震災以降に続いている「節電」需要に対応し、冬に向けて「エコライフ」というスローガンでMD改革に取り組んでいます。また、ホームファッションのカテゴリーのプライベートブランド(PB)「リブニー」を10月から新たに投入しました。今年は約140店舗のホームファッション売場を改装する計画ですが、10月度の販売実績が好調ですので、これから楽しみにしています。

 前期には単体で新店、改装、情報システム等に約100億円を投資しましたが、今期は約200億円まで投資額を増やして営業力強化に取り組みます。上期は東日本大震災の影響もあり、思ったほど進みませんでしたが、下期には積極的に改装を進めて行きたいと考えています。

──リアル店舗の6業態に加えて「ネットスーパー」も展開しています。

桑原 今期に入って近畿の2店舗でも展開をはじめ、10月に北海道でもネットスーパーをスタートしています。

 ネットスーパーは「儲からない」と言われますが、リアル店舗と同様に、こちらも数を増やさなければ採算に乗りません。

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聞き手

千田 直哉 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア 編集局 局長

東京都生まれ。1992年ダイヤモンド・フリードマン社(現:ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。『チェーンストアエイジ』誌編集記者、『ゼネラルマーチャンダイザー』誌副編集長、『ダイヤモンド ホームセンター』誌編集長を経て、2008年、『チェーンストアエイジ』誌編集長就任。2015年、『ダイヤモンド・ドラッグストア』誌編集長(兼任)就任。2016年、編集局局長就任(現任)。現在に至る。
※2015年4月、『チェーンストアエイジ』誌は『ダイヤモンド・チェーンストア』誌に誌名を変更。

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