既存店の業態改革が着々、上期で経常利益黒字化を達成=ダイエー 桑原道夫 社長
都市型SMに期待感
──現在は既存店のフォーマットの整理を進めています。
桑原 ダイエーは11年10月末現在、212店舗を展開していますが、これを総合スーパー(GMS)とひとくくりにはできません。そこで“GMSからの決別”を宣言し、前期(10年2月期)にダイエーに加え、子会社の食品スーパー(SM)「グルメシティ」やディスカウントストア(DS)の「ビッグ・エー」の店舗を5つの業態──「DS」「SM」「SSM(大型食品スーパー)」「SSM+MD(マーチャンダイジング)」「SSM+MDの大型店」──に分類し、業態戦略を推進しています。
この5業態に今期、都市型SMの「フーディアム」が加わりました。高齢化や人口減少といった人口動態の変化が進むのと同時に、人口が都市部へ集中化していきます。東京や大阪、政令指定都市の中心部に人口が集まり、男性同様に働く女性がどんどん増えている。そうして新しいライフスタイルが出てくると、都心部に小型SMが必要になるはずです。
フーディアムは他社が展開する「都市型小型店」よりも先を行く、“尖った”店にしようと意気込んでいます。都市生活者にとって便利なレイアウト、商品構成を考えました。
とくに総菜の売上高構成比が高いのが特徴で、総菜のアイテム数を増やすのはもちろん、より洗練された商品づくりをしています。「セレクトボックス」といって、ご飯(200円)とおかず(280円)の組み合わせを楽しめる総菜などが代表例です。
また、若干アップスケールな商品も差し込んでいます。たとえばフーディアム下北沢店(東京都)では地元のベーカリーの商品を取り入れたほか、ワインや、ナチュラルチーズ、生ハムなども豊富に品揃えしています。
今後、都市部への人口がより集中していくことが考えられますから、フーディアム業態は今後の成長エンジンの一つに育てたいですね。
──フーディアム業態として下期に開業したフーディアム下北沢店、フーディアム堂島店(大阪府)のオープン後の動向はどうですか。
桑原 お客さまからの評判は上々です。とくに総菜への反応がよく、総菜の売上高構成比は堂島店が約30%、下北沢店が約25%と高くなっています。