西友の総菜戦略、価格と価格以外の価値を両立させる方法とは
自社で商品の仕入れ・開発・販売までを一貫して行う「製造小売業(SPA)」をめざす西友(東京都/大久保恒夫社長)。そうしたなか、総菜では自社工場を活用し作業の効率化を図りながら、「西友らしい」独自の商品開発に取り組んでいる。
総菜はSPA化をリードする存在
西友は2021年6月に発表した中期経営計画で「商品力と販売力の強化」を掲げている。それに沿って、惣菜部では原材料の調達や商品開発を独自に手掛け、さらには自社工場の機能を最大限に生かすことで、「西友らしい」特徴のある総菜の提供に取り組んでいる。「製造小売業化は中期経営計画の重要な施策の1つ。総菜はそれをリードする存在だと認識している」と生鮮/惣菜本部惣菜部部長の櫻田達也氏は話す。
「西友らしい」特徴を、惣菜部は「お客さまの食卓を豊かにする商品」「毎日食べても飽きのこない商品」と定めた。おいしさはもちろん楽しさも提供でき、添加物を極力使用せず飽きない味の商品開発に取り組み、「西友らしい」低価格で商品を打ち出していく。
つまり、惣菜部がめざす「西友らしい」特徴とは、中期経営計画で重要施策となっている「価格競争力と価格以外の価値提供のトレード・オン」と同義だ。「低価格の商品と付加価値型商品というような区別をするのではなく、できるだけ多くのお客さまのニーズに応える商品開発を心掛けている」(櫻田氏)。
たとえば、健康志向に対応した「カラダにやさしいDeli」や、いろいろなおかずを少しずつ食べたいニーズに対応した「小鉢」シリーズの展開などがそうだ。「小鉢」は「かぼちゃ煮」などの和総菜を少量パックで販売するシリーズで、現在は一部店舗のみだが、今後は全店での展開をめざす。一方で、298円(以下、税抜)という低価格の弁当でも付加価値の追求に取り組んでいる。
では、西友の総菜ではいかに価格と価格以外の価値の両立を図るのだろうか。最も重視しているのが、
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