小売業種からはトライアルなど8社が上場! 24年の新規公開企業のその後
2024年の新規上場企業は86社。そのうち8社が小売業種に分類されており、コロナ禍以降(20年~)では最多となった。注目企業の新規上場が注目を集める一方で、昨今では“非上場化”を選択する企業も増加傾向にある。新規上場小売企業8社や、そのほか上場を果たした小売関連企業の動向をまとめるとともに、上場廃止の流れについても分析する。
24年上場の小売企業は「トライアル」「Zoff」など8社
小売業種の新規公開企業8社を見ていこう。まず、3月21日に上場を果たしたトライアルホールディングス(福岡県/永田洋幸社長:以下、トライアル)は、資金調達額3600億円超、24年の新規公開企業86社のなかで最大の規模だった。調達した資金は新店舗の拡大や設備強化、ITデバイスの開発などに投資するとしている。同社は23年4月に上場を予定していたが、当時の株式市場の不透明さなどを理由に延期(新規上場の承認取り消し)していた背景がある。
トライアルとほぼ同じ時期に新規上場の承認取り消しを行っていた小売業に、「カメラのキタムラ」などを運営するキタムラ・ホールディングス(東京都/福本和宏社長)があったが、同社については、現時点(25年3月)でまだ上場していない。
そのほかの小売業種を業態別に見ていくと、食品小売ではトライアルのほか、デリシア(長野県/萩原清社長)を傘下に持つアルピコホールディングス(長野県/佐藤裕一社長)がある。
そのほか飲食業では、「立呑み 焼きとん 大黒」などの立呑み居酒屋を中心に展開する光フードサービス(愛知県/大谷光徳社長)、「らぁ麺 はやし田」などを運営するINGS(東京都/青柳誠希社長)、「炭火居酒屋 炎」などを展開する伸和ホールディングス(北海道/佐々木稔之社長)、「壱角家」などを展開するガーデン(東京都/川島賢社長)の4社が上場した。
そのほか小売関連では、ジュエリー・時計の製造販売のケイ・ウノ(愛知県/伊藤崇史社長)、眼鏡ブランド「Zoff」を運営するインターメスティック(東京都/上野博史社長)の2社となっている。
また、小売との関係が深い企業5社も上場を果たしている。スキマバイトサービス「タイミー」を運営するタイミー(東京都/小川嶺社長)、Amazonネットスーパーなども出店するファミリー向け社会体験アプリを運営するキッズスター(東京都/平田全広社長)、「流水麵」などのチルド商品などを製造するシマダヤ(東京都/岡田賢二社長)、ブランドバッグのサブスクリプション型シェアリング事業のラクサス・テクノロジー(広島県/高橋啓介社長)、レシピ動画サービス「クラシル」を展開するdely(東京都/堀江裕介社長)だ。