広島のベンチャー ウーオ が挑む、鮮魚の流通革命
日本の魚の新しい流通をつくりたい──。こんな壮大な目標に挑戦するスタートアップ企業がある。広島県広島市に本社を置き創業7年目を迎えるウーオ(板倉一智代表)だ。生鮮食品の中でも鮮度管理や調理加工にとくに高い技術が求められる一方、収益確保が難しく、さらには消費者の“魚離れ”といった問題にも直面する鮮魚部門に変革を起こそうとする同社の取り組みをレポートする。
鮮魚専門のマーケットプレイス
現在ウーオの主要事業となっているのが、鮮魚専門のマーケットプレイス「UUUO(ウーオ)」の運営である。買い手と売り手がオンライン上で水産物の売買を行う、いわば“鮮魚版アマゾン”のようなプラットフォームである。アマゾン同様、出品も注文もスマホアプリを介して簡単に行うことができる(このほかFAXでも売買が可能)。
仕組みはごくシンプルだ。出品者は魚種や量目、価格、商品画像に加えて、産地、漁法、締め方、水揚げ日、配送予定日、出品者目線での鮮度評価といった詳細情報をアップする。買い手はこれらの情報と価格を見定めたうえで発注を行う。
日本国内には300カ所以上の水産物卸売市場がある(2020年12月時点)が、UUUOには、そのうち50カ所を超える市場から、漁業協同組合などの卸売業者および産地仲買人が出品者として登録している。卸売業者や産地仲買人はウーオ市場を介して、これまで取引のなかった企業に販路を拡大できるというメリットを享受できる。
一方の買い手としては、消費地の卸売市場の卸売業者や仲卸業者、さらにはスーパーマーケット(SM)や飲食店チェーンなどが利用している。これら買い手のメリットは、既存の取引先からは仕入れられなかった全国各地の地魚が翌日、もしくは翌々日に入手できるという点にある。
また、アプリには魚を売買できる機能のほかに、セリ前に全国漁港の漁獲情報や水揚げ情報が一覧できる機能がある。これらのデータはウーオが全国各地の漁協から提供を受けてまとめたものだ。これにより、買い手は産地へ個々に問い合わせる必要がなく、情報をもとに注文が可能。また、あらかじめ希望の魚種をアプリ上で登録しておけば、その魚種が出品された際にプッシュ通知を受けることもできる。
従来の業務プロセスを一変させる、まさに“鮮魚仕入れのDX(デジタル・トランスフォーメーション)”をウーオは志向しているのである。
現在、買い手の約半数を
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