レシートは語る第7回 ツルヤの利用実態調査 PBだけじゃない!支持される理由

山室 直経 (mitorizDMB本部 本部長)
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群を抜いて支持の高い
「畜産」カテゴリー

 ※ベイシアは群馬県の店舗レシートのみ
※ベイシアは群馬県の店舗レシートのみ。

 次に、購入レシートにおけるカテゴリー出現率を分析した(図表2)。

 すると、「ツルヤ」は他チェーンと比較すると、「農産(52.7%)」、「畜産(32.1%)」、「水産(16.1%)」といった毎日の食卓に欠かせない生鮮3品の購入率が高い特徴がある。

 とくに「畜産」カテゴリーは、「ベイシア(23.5%)」、「フレッセイ(22.2%)」よりも10ポイント(pt)程度高い。「畜産」カテゴリーの内訳をみると、「豚肉」「鶏肉」がそれぞれ3割程度、「卵」が2割強を占めており、バランスよく購入されている。

 回答者のコメントでは、「売場が明るいため、肉、魚が新鮮で、美味しそうにみえる」、「野菜、魚、肉は、価格も手頃でよく売れているからか、店員の方が頻繁に品出しをしており、いつも新鮮な商品が並んでいる」などの声が寄せられた。

PB人気の一方で
総菜には要望あり

 ツルヤの“代名詞”とも言えるプライベートブランド(PB)商品についても、高く評価するコメントが多く見られた。「黒糖カステラが大好きで行くたびに買っている。膨張剤不使用でからだにやさしい」「オリジナルジャムは種類が豊富で安価。とくにリンゴバターは素材そのものの味がする」「添加物を使わないドライフルーツがおいしい」など、一般的なPB商品は価格の安さが購入理由であることが多いが、「おいしさ」「付加価値」によって選ばれ、目的買いされていることがわかる。

 一方で、「総菜」の出現率は、「ツルヤ(26.5%)」と、「ベイシア(33.9%)」「フレッセイ(33.7%)」よりも低い。「天ぷらのバラ売りが有るとうれしい」「総菜がいつも同じ。ラインアップ種類を増やして欲しい」といった要望が見られた。

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記事執筆者

山室 直経 / mitoriz DMB本部 本部長

山室直経(やまむろ・なおつね)

神奈川大学経営工学科卒業。パソコンメーカーを経て、米リサーチ会社にてコンサルティング業務を学ぶ。その後、大手家電量販店子会社のパソコンメーカーで経営企画室に従事。計数管理とERP導入による業務改善などのプロジェクトを経験した後、2012年3月ソフトブレーン・フィールド入社、消費者購買データ事業の新規立ち上げを行う。

現在はデータを軸とした事業開発と当社の基幹システムのDX戦略を担う

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