ワークマン(東京都/栗山清治社長)が好調をひた走る。
2019年3月期第2四半期決算の数字は、営業総収入が288億5000万円(対前期比10.8%増)、営業利益は55億7100万円(同21.3%増)、経常利益61億6500万円(同19.4%増)、四半期純利益38億2200万円(同20.3%増)の2ケタ増収2ケタ増益だった。
チェーン全店売上高は418億5000万円と同13.2%増。目を見張るのは既存店伸長率でこちらは同11.4%増(客数:同8.6%増、客単価:2593円、同2.6%増)であった。
記録的猛暑で空調ファン付作業服などの夏物が好調に推移。また台風による豪雨で西日本を中心に雨関連商品が大幅に増加したことなどが好業績の要因だ。
それに加えて9月5日に「ららぽーと立川立飛」(東京都)に開業した新業態店「ワークマンプラス」のパブリシティ効果も大きかった。
「全国ネットのテレビ番組や全国紙、経済雑誌などメディアに大きく報道され、ワークマンの知名度が高まった」と栗山社長は振り返る。
新業態の「ワークマンプラス」は、アウトドア・スポーツウエア・レインウエアの専門店。同社自慢の「高機能」と「低価格」をそのままにアウトドア・カジュアルウエアに「プロ品質」をプラスした商品を揃え、提案している。
開発背景には、同社のコア客である建設労働者(職人)の高齢化と人口減少に対する危機感がある。
既存市場の縮小が必至という状況のなかで、同社は顧客の購買行動に注目した。
「既存店を分析していくと、当社の既存商品をフィッシングやバイク、クライミングなどを本格的に行う前の練習用や入門用として購入するケースが多々見られた」(同社)。
調べてみると、日本のアスレジャー(アスレチック+レジャーの造語)市場は約8558億円に上り、2020年の東京五輪に向けて約8926億円に成長することが分かった。このうちの「機能性+低価格」の市場は空白であるとともに約4000億円の規模がある。
そこで、既存商品を再編して、ショッピングセンター内という形で売る場所を変え、什器を新調したりライティングを工夫することで売り方を変え、女性客とホワイトカラーにターゲットを変え、満を持して出店したのが、「ワークマンプラス」だ。
来店客の男女比は55対45(オープン時)。既存のワークマンのそれは80対20なので明らかに顧客が変わった。
売上も好調で当初予定の年商1億2000万円から3億円に上方修正している。
「ワークマンプラス」の今後の展開は、①関東・近畿の集客力の高いショッピングセンター内への出店と②ロードサイド店舗になる。
①としては、来週11月22日に「ららぽーと富士見店」(埼玉県)内に出店。②はすでに11月8日に川崎中野島店(神奈川県)をオープン。2019年3月末までには10店舗の出店を計画しており、早々に100店舗体制の実現を目指す。
俄然注目を集めるワークマンの通期の業績見通しは、チェーン全店売上高832億8700万円(同4.5%増)、営業総収入579億1000万円(同3.3%増)、営業利益111億8000万円(同5.4%増)、経常利益123億8000万円(同4.5%増)当期純利益82億2000万円(同4.8%増)と元気な数字が並ぶ。