競争に勝つためには、まずは敵を知ること

「教わることは何もない」というプライドの落とし穴
ストアコンパリゾン(競合店調査)はおろか、同業・異業の店舗を見ない、という小売企業がある。
あるところ業界では指導的な立場にあるので、いまさら教わることなど何もないというスタンスだ。もちろん、口に出して豪語するわけではないが、その企業の誰と会ってもそんな感じであり、企業体質の中に高いプライドが絶えず見え隠れしている。
それだけ自信があることは素晴らしいことである。胸を張って誇ってもいい。
ただし、そのスタンスを取り続けた場合、どこかの企業とガチンコ勝負になった時には、殆(あや)うい、と中国春秋時代の兵法書『孫子』の中で孫武は説いている。
「彼を知りて己を知れば百戦して殆うからず」というのは、あまりにも有名な一節だが、その後には、こう続いている。
「彼を知らずして己を知れば、一勝一敗す。彼を知らず己を知らざれば、戦う毎に必ず殆うし」(敵のことを知らないで自分のことを知っていれば勝ったり負けたり。敵も自分のことも知らないと相当まずい)。
つまり、競争に勝つためには、相手の事情も分かってなければならないということだ。相手を知って悪いことはなにもない。変なプライドは捨て、他社の店舗や戦略、戦術をどんどん研究すればいいのに……。
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