ワークマン流ノンカスタマーのカスタマー化
9月5日、ワークマンは「ららぽーと立川立飛」3階に新業態店の「WORKMAN Plus(ワークマンプラス)」を開業した。売場面積は約200㎡で初年度の売上目標は1億2000万円だ。「高機能×低価格のサプライズをすべての人へ」をコンセプトにアウトドアやスポーツ、レインウエアなど約300アイテムを取り扱う。
「低価格」「機能性」「デザイン性」を武器にワークマンは好調そのものだ。
2018年3月期末で821店舗(内フランチャイズ・ストア692店舗)を展開。売上高は797億300万円(対前期比7.3%増)、営業利益は106億300万円(同11.0%増)、純利益は78億4400万円(同9.8%増)、既存店舗成長率は同4.7%増だった。
プライベートブランド(PB)商品は約830アイテムを展開。売上高は255億7000万円(同33.4%増)と全社売上高に占める構成比率は32.2%になり、40%の達成を目指している。
もともとは「ワーキングウエア」や「作業用品」の専門店として知られていた同社ではあるが、PBを中心に「デザイン性」に磨きがかかると一般ユーザーがアウトドアやキャンプに活用するようになった。
また販売促進面では、ブロガーを商品発表会に招きネット上で拡散してもらうなどの後押しもあって、日常着用需要の獲得につながっている。
実際、同社の「ファミリー衣料(肌着・靴下・防止・タオル・エプロンなど)」の売上高は76億5100万円(同5.1%増)、「カジュアルウエア(ポロシャツ・コンプレッションシャツ・Tシャツ・ハイネックなど)」の売上は90億円(同11.1%増)と主力部門のひとつになっている。
これら好調部門をスピンオフして、専門店化したのが今回の「ワークマンプラス」の試み。開店翌日は長蛇のレジ待ち列ができ、そのコストパフォーマンスに賞賛の声が上がっていた。同社は次の数年に100店舗体制を構築し、120億円の売上計画を組んでいる。
千田直哉の続・気づきのヒント の新着記事
-
2024/09/02
魅力的な売場…抽象的な誉め言葉の意味を明確化するために必要なこととは -
2024/08/02
日本酒類販売社長が語る、2023年の酒類食品流通業界振り返り -
2024/07/03
「何にでも感激する経営者」の会社が業績が良い“意外な”理由 -
2024/06/07
経費率16%なのに?ローコスト経営企業が敗れ去るカラクリとは -
2024/05/23
キットカットをナンバーワンにしたマーケター「アイデアより大事なこと」とは -
2024/04/15
スーパーマーケット業界のゲームチェンジャー、オーケー創業者・飯田勧氏の経営哲学とは
この連載の一覧はこちら [1799記事]
ワークマンの記事ランキング
- 2024-04-02エクセル経営からPython活用へ!ワークマンがデータ分析を高度化させるねらいとやり方とは
- 2024-05-03酒井真弓のDXトレンド最前線、ベイシアグループを変えた人的資本経営
- 2019-12-24あのユニクロも苦しんだのに! ワークマンに“ブームの反動減が来ない”明確な理由
- 2021-10-08「デジタル化と小売業の未来」#12 ユニクロのEC化率が伸びない意外な理由
- 2021-12-22ワークマン「WEB限定のキャリーバッグ完売」に見る、BOPIS導入と「顧客の棲み分け」戦略とは
- 2022-11-22「#ワークマン女子」吉祥寺店で得た“新たな客層”と百貨店出店の本当の狙いとは
- 2023-01-2711期連続最高益更新! ワークマンが「高品質×低価格」の究極のトレードオフを両立できる理由
- 2023-02-20最強フォーマット、ワークマンプラス2の全貌に迫る!
- 2023-05-19ゴルフウエアに本格参入のワークマン 上方修正で見据えるゴルフ1000億円市場での未来像
- 2023-09-13商品はワークマン女子と全部同じなのに、「ワークマンカラーズ」が新業態と言えるワケ