三越伊勢丹HD、23年3月期の利益予想を上方修正 経費削減進む
三越伊勢丹ホールディングス(HD)は2月3日、2023年3月期の連結営業利益が前期比約4.4倍の260億円になりそうだと発表した。経費構造改革が進み、従来予想から20億円引き上げた。
クレジットカード・金融・友の会事業と不動産事業の営業利益は従来予想と変わらないが、百貨店事業の営業利益が20億円上振れする。純利益予想は15億円引き上げ、前期比約2倍の255億円とした。
一方、売上高については予想を40億円引き下げ、前期比17.1%増の4900億円となる見通し。同社は前期から「収益認識に関する会計基準」を適用しており、同基準を適用しなかった場合の売上高は18.4%増の1兆800億円と従来予想を50億円上回る。
中核事業会社の三越伊勢丹の既存店売上高は、通期で2%減を見込んでいたが、1%増に引き上げた。訪日外国人客向けの免税売上高を除くと、既存店売上高は7%増になりそうだ。
同時に発表した22年4〜12月期の連結決算は、売上高が前年同期比16.7%増の3671億円、営業利益が約8.2倍の245億円だった。基幹店の伊勢丹新宿本店は、インバウンド(訪日外国人)客が回復しないなかでも、上期は三越との経営統合以降で最高の売上を記録、通期では過去に一度しか達成していない3000億円超の売上高を見込めるという。