ニトリHD、円安進行で3〜8月期は10.9%の営業減益 米国からの撤退決定
ニトリホールディングス(HD)が発表した2022年3〜8月期の連結営業利益は、前年同期比10.9%減の690億円だった。円安の影響で海外生産する自主企画商品の原価が上昇、原油価格高騰による水道光熱費の増加なども痛手となった。
中核事業会社であるニトリの粗利益率は、前年同期に比べて3.0ポイント低下し、53.6%となった。島忠を含む連結ベースでの粗利益率は51.3%と1.7ポイント悪化した。ニトリ事業の営業利益は12.2%減の662億円だった。
新規出店効果で連結売上高は4230億円と2.1%の増収だったものの、広告宣伝費や発送配達費などの経費も膨らんだ。純利益は4.5%減の514億円だった。
島忠事業では、グループの商品開発力を生かしてプライベートブランド商品を増やしたことなどで、粗利益率が改善。営業利益は18.9%増の25億円となった。
海外事業戦略の見直しについても発表した。現在2店舗を展開する米国では、12月にタスティン店、23年4月にオンタリオミルズ店を閉鎖、市場から撤退する。ニトリHDは13年10月に米国1号店を出店、ピーク時で5店舗を展開していた。
海外事業については今後、東アジア・東南アジアに経営資源を集中する。台湾の店舗数は23年3月期末で56店舗(前期比12店舗増)、中国では65店舗(19店舗増)となる見通し。このほか、今後5年間でマレーシアの店舗を20店舗、シンガポールでは10店舗に増やす計画だ。
ニトリHDは今期から決算期を2月から3月に変更するため、23年3月期は13カ月の変則決算となる。23年3月期の売上高は前期比18.7%増の9636億円、営業利益は8.9%増の1506億円、純利益は7.5%増の1040億円と従来予想を据え置いた。