5四半期連続100億ドル超え! 急成長続くアマゾンのリテールメディア事業 

小久保 重信(ニューズフロント記者)
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リテールメディア市場、24年は17.5%増

 小売企業が自社のウェブサイトやアプリなど自社プラットフォームで展開する広告媒体「リテールメディア」が活況を呈している。英広告会社WPP傘下グループエムのリポートによると、リテールメディアの世界広告収入は今後も順調に伸び、28年にはテレビの広告収入を上回る見通しだ。

 このテレビの広告収入にはコネクテッドテレビ(ネット接続して動画配信を利用するテレビ)も含まれる。リテールメディアの広告収入は24年に前年比17.5%増、25年に同13.5%増で推移するとグループエムはみる。リテールメディアの伸び率は引き続きデジタル広告の中で最も高い水準で推移するという。

 広告主にとっては、ネット広告の出稿先を多様化できるというメリットもある。ネット広告市場では、米グーグルと米メタが先行している。これに対し、リテールメディアでは小売業者が自社サイトで独自に収集した購買履歴などの「ファーストパーティーデータ」を利用する。広告主にとってはプライバシー侵害へのリスクを回避しながら、効果の高い広告を出せるというメリットがある。ただしイーマーケターは、「今後、EC事業の成長鈍化が長引けば、リテールメディア事業にも影響が及び、収益を伸ばすことが困難になる」とも指摘している。

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