長野発、食のSPA企業サンクゼールがECプラットフォーム事業に着手した理由

松尾 友幸 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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商業施設への出店を中心に、「サンクゼール」「久世福商店」の2業態の食のセレクトショップを展開するサンクゼール(長野県/久世良太社長)。前回2業態のコンセプトや取り扱い商品、コロナ禍の状況、今後の出店戦略について解説した。今回は同社のSPA(製造小売)戦略やEC事業、商品戦略について紐解いていく。

その地方独自の商品や製造方法に着目

 サンクゼールはジャムの製造をきっかけに創業していることから、商品の企画・開発から調達、販売に至るまでを自社で展開する食のSPA(製造小売)企業である。仕入れ商品に関しても多少原価率が高くてもその分売価を高く設定し、クオリティの高い商品を展開する方針だ。また、サンクゼールの店舗は約7割がフランチャイズ(FC)であるため、FCオーナーに利益をできるだけ残すことも重要である。そのためには、自社で商品を開発して売価決定権を持つことも大事なポイントとなっている。

サンクゼールが独自開発したペースト「パンにぬるシリーズ」
サンクゼールが独自開発したペースト「パンにぬるシリーズ」

 原材料の調達に関しては、バイヤーが全国各地を周り各地方伝統の独自のおいしさを追求しているのが特徴だ。「日本にはその地方、その土地でしか共有されていない商品・製造方法がたくさんある。こういった各地のおいしいものを全国的に売り出したい」(常務取締役 リテール事業本部長 久世福商店ビジネスユニット ユニット長 山田保和氏)。

 

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記事執筆者

松尾 友幸 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

1992年1月、福岡県久留米市生まれ。翻訳会社勤務を経て、2019年4月、株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。流通・小売の専門誌「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部に所属。主に食品スーパーや総合スーパー、ディスカウントストアなど食品小売業の記者・編集者として記事の執筆・編集に携わる。趣味は旅行で、コロナ前は国内外問わずさまざまな場所を訪れている。学生時代はイタリア・トリノに約1年間留学していた。最近は体重の増加が気になっているが、運動する気にはなかなかなれない。

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