ドイツのクリスマス商戦の売上高、2%増の見通し=小売業連盟
[ベルリン 8日 ロイター] – ドイツ小売業連盟(HDE)は8日、クリスマス商戦の小売売上高が2%増の1117億ユーロ(1290億6000万ドル)になるとの見通しを発表した。ドイツの小売業者は、インフレや配送問題、新型コロナウイルスの新たな感染拡大などに直面している。
シュテファン・ゲント最高経営責任者(CEO)は「多くの小売業は今年上半期にロックダウン(都市封鎖)による困難に直面したが、高水準の貯蓄と強い消費者心理によって年末に取り返せることを示唆している」と述べた。
オンライン販売は17.3%増の231億ユーロ(266億9000万ドル)になると予想しており、クリスマス商戦に貢献すると期待されている。
前向きな売上高見通しが示されたものの、小売業も他の産業と同様の悪化要因に直面している。HDEが調査した企業の約4分の3が、供給のボトルネックが売り上げに打撃を与える可能性があると回答した。
世界的な半導体不足の影響は消費者向けエレクトロニクス製品や家庭用電化製品にも及ぶ可能性があるが、ゲント氏は人気の高い家庭用ゲーム機以外は在庫切れにはならないと見込んだ。
インフレ率が4.5%と過去30年近くの間で最高の水準にあることも、ドイツの消費者の贈答品予算を圧迫する可能性がある。
ゲント氏は今後数カ月の新型コロナのパンデミック(世界的大流行)の推移と、それに伴う安全規制などがHDEの予測に影響するとコメントした。
昨冬はドイツ政府がパンデミックを阻止するため、多くの小売店が休業を余儀なくされた。
ゲント氏は「もう誰もそんな余裕はない」と語り、小売店は新型コロナウイルスの感染拡大のホットスポットではないと訴えた。
8日に発表されたドイツの公衆衛生統計によると、過去7日間の罹患率(先週の10万人当たりの感染者数)は201.1に上昇し、パンデミック開始後の最高水準に達した。