アマゾンとのネットスーパー、自然派ビオラルも強化!SM業界首位ライフの経営効率は?
近畿圏と首都圏の2大都市圏で280店舗(2021年2月期末時点)を展開するライフコーポレーション(大阪府:以下、ライフ)は、食品スーパー(SM)業界首位の座を3年連続で維持している。連結ベースでは4期連続の増収、営業利益、経常利益、当期純利益では3期連続で増益を続けているほか、単体ベースでの1㎡当たり売上高も5期連続で伸長している。
21年2月期連結決算は、営業収益7591億円(対前期比6.2%増)、営業利益273億円(同97.3%増)、経常利益281億円(同9 3 . 4 % 増)、当期純利益1 7 8 億円(同127.5%増)の増収増益だった。既存店売上高も同5.3%増と好調だった。
21年2月期は既存店の活性化に注力し、首都圏と近畿圏で合計28店舗を改装したほか、両地域で8店舗を新規出店した。このうち20年12月には首都圏で初の自然派SM「ビオラル丸井吉祥寺店」(東京都武蔵野市)をオープン。健康志向の高まりを受け、既存店でもビオラルコーナーの導入・拡大に取り組むなどビオラル事業のさらなる強化に注力している。
ライフはEC事業のさらなる拡大も図っており、20年にはEC事業全体の売上高が50億円超となった。19年9月にアマゾンジャパン(東京都)が展開する即時配送サービス「プライム・ナウ(Prime Now)」に出店したネットスーパーでは、首都圏と近畿圏ともに対応可能エリアを拡大。21年2月期末時点で、首都圏では東京23区・4市、神奈川県2市、近畿圏では大阪府大阪市の21区と3市で利用可能となっている。
また、21年4月にはネットスーパーと来店宅配サービスにおける配送サービス業務や梱包作業支援を担う新会社ライフホームデリバリー(大阪府)を物流企業と共同で設立。今後はアプリやシステムの刷新、サービス対象エリアの拡大、配送・サービスレベルの向上などにより、30年にはEC事業における売上高1000億円をめざす考えだ。
部門別売上高構成比
過去5年間経営指標推移(各年2月期)
会社概要
所在地 | 大阪府大阪市淀川区西宮原2-2-22 |
代表者 | 代表取締役社長執行役員 岩崎高治 |
資本金 | 100億400万円 |
決算日 | 毎年2月末日 |
上場取引所 | 東京証券取引所第一部 |
連結営業収益 | 7591億4600万円(2021年2月期) |
PB比率 | 2020年2月期:9.1%、2021年2月期:9.1% |
時価総額 | 1801億2900万円 |
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収録企業
食品スーパー
①ライフコーポレーション、②USMH、③バローホールディングス、④マックスバリュ西日本、⑤アークス、⑥オーケー、⑦ヤオコー、⑧ヨークベニマル、⑨マックスバリュ東海、⑩サミット、⑪ベルク、⑫オークワ、⑬いなげや、⑭アクシアルリテイリング、⑮リテールパートナーズ、⑯ハローズ
総合スーパー
①イオン、②イトーヨーカ堂、③イズミ、④平和堂、⑤イオン九州、⑥イオン北海道、⑦フジ、⑧サンエー、⑨ユニー
ディスカウントストア
①ドン・キホーテ、②トライアルカンパニー、③ミスターマックスHD、④PLANT
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