コロナ禍の米企業倒産、予想下回る 雇用への影響も縮小=FRB調査
[ワシントン 16日 ロイター] – 新型コロナウイルス感染拡大開始から1年間の米国の企業倒産件数が20万件以下と、当初の予想を下回っていたことが連邦準備理事会(FRB)の調査で分かった。雇用に対する影響も予想されたほど大きくなかった可能性がある。
当初は年間企業倒産件数は、どの年であっても中小企業を中心に60万件に上る恐れがあるとの見通しが示されており、FRBの調査部門は2020年3月から21年2月までの1年間はこの水準を最大3割程度上回る恐れがあるとの見方を示していた。
FRBは報告書で、持ち帰りサービスを実施した飲食店、生鮮食料品店、屋外のリクリエーション企業などの倒産が少なかったことで、サービス産業が受けた影響が相殺され、経済全体への打撃が緩和されたと指摘。今回の結果はパンデミック(世界的大流行)に関連した企業倒産について楽観的な見方を提供するものだったとした。
FRBは、状況が正常化に向かうにつれ銀行や債権者が柔軟に対応しなくなった場合、企業倒産が増加する恐れもあると指摘。ただ、中小企業は「給与保護プログラム(PPP)」を含む政府支援策で効果的に支えられ、予想より力強く耐えているとの見方を示した。
昨年春に閉鎖された事業の数を踏まえると、新型コロナ感染拡大による大規模な打撃が予想されたのは正当化できるとしながらも、昨年8月末までに過度な事業閉鎖は解消し、同年末までには通常の水準を大幅に下回る水準まで改善していたと指摘した。