東証新社長に山道氏、システム障害からの信頼回復が課題
[東京 22日 ロイター] – 日本取引所グループ(JPX)は22日、東京証券取引所の新社長に大阪取引所の山道裕己社長(65)を充てる人事を発表した。4月1日付。東証では昨年10月に起きた大規模システム障害で当時の宮原幸一郎社長が辞任していた。
午後に会見したJPXの清田瞭最高経営責任者(CEO)は、昨年のようなシステム障害が「起こらないように、また、起こったとしても短時間のうちに回復可能なレジリエント(柔軟性がある)なものにしていくのが課題だ」と発言。「山道氏には全力を挙げていただきたい」と語った。東証社長を兼務していた清田氏はJPXのCEOに専念する。
山道氏は1977年に野村証券(現・野村ホールディングス)入社。ノムラ・ヨーロッパ・ホールディングズ社長やノムラ・ホールディング・アメリカ会長、専務などを歴任した。
清田CEOは「(東証は)もともと世界でも有数の取引所だ。国際的な競争に打ち勝つための手を打っていくことが重要」と、国際経験のある山道氏に期待を示した。「新市場区分への移行やTOPIX改革、システムトラブルの再発防止の取り組みも含め、山道氏ならできるというのが指名委員会の一致した見方だった」と語った。
山道氏は、JPX取締役兼代表執行役グループ最高執行責任者(COO)も兼務する。
大阪取引所の社長には、日本証券クリアリング機構の岩永守幸副社長を充てる。
東証では昨年10月1日に大規模システム障害が発生し取引が終日停止となった。これを受け、当時の宮原社長が同11月30日付で辞任していた。