三越伊勢丹HD、不動産子会社を米ブラックストーンに売却、特別利益71億円

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都内の三越の店舗
三越伊勢丹ホールディングスは11日、子会社の三越伊勢丹が保有する三越伊勢丹不動産の全株式を、米ブラックストーン・グループなどに譲渡すると発表した。写真は三越の店舗、東京で2018年1月撮影(2020年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

 三越伊勢丹ホールディングス(HD)は11月11日、100%子会社の三越伊勢丹不動産(東京都新宿区)の全株式を米資産運用大手のブラックストーン・グループが設立したエチゴ合同会社(東京都千代田区)に売却すると発表した。

 同社の21年3月期上半期(20年4〜9月)の連結営業損益は178億円の赤字(前年同期は138億円の黒字)、純損益は367億円の赤字(同75億円の黒字)だった。通期では450億円の最終赤字を見込んでおり、不動産子会社売却によって手元資金を厚くする。

 売却金額については明らかにしていないが、今回の株式譲渡に伴い三越伊勢丹HDは2021年3月期決算で約71億円の特別利益を計上する。

 三越伊勢丹不動産は自社物件の賃貸営業やマンション分譲を中心とした事業を展開しており、20年3月期の売上高は30億円、純利益は2億円だった。134億円の純資産を保有する。

 三越伊勢丹HDは22年3月期を最終年度とする3カ年の中期経営計画において、不動産事業の強化を重点施策の一つに挙げていたが、不動産子会社を売却することでこの計画は見直しを迫られることになる。三越伊勢丹HDは同日、中期計画を取り下げ、21年5月に新たな3カ年計画を公表することを明らかにした。

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